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売上高は18・4%減の263億円で減収減益 リックス第3四半期


週刊経済2021年3月16日発行

各業界とも徐々に回復の兆し

福岡市博多区山王1丁目の機械商社・リックス㈱(安井卓社長)の20年4~12月連結決算は、売上高が前期比18・4%減の263億2300万円、経常利益が同34・6%減の12億8500万円となった。
営業利益は同36・4%減の11億6700万円、純利益は同31・8%減の8億7500万円。コロナ禍で減収減益となったものの、各業界とも徐々に回復の兆しが見られ、収益とも中間累計期間からマイナス幅を縮小した。主要取引業界別の売上高では、鉄鋼業界向けの売上高が同20%減の81億7300万円。製鉄所安全設備や製鋼工程向けで解体機、熱延工程水処理設備向けプランジャーポンプの受注は好調だったものの、製鋼用副資材やバルブ、厚板工程向け圧延ロール、ジャバラなどの受注が落ち込み、前期を下回った。
自動車業界向けの売上高は、同22・1%減の64億円。国内と北米自動車部品メーカー向けで超硬加工部品や自動車メーカー向け自動化装置、精密加工部品の引き合いが強かったものの、自社洗浄装置やポンプ類、工作機械業界向けの自社継手製品や自社浮上油回収機の受注が落ち込み、前期を下回る推移となった。
電子・半導体業界向けの売上高は、同7・4%増の32億2900万円。自社微粒化装置や半導体製造装置修理の受注は落ち込んだものの、電子・半導体メーカー向けにセラミック加工品、電源設備修理や自社継手製品の受注が伸長して前期を上回った。
ゴム・タイヤ業界向けの売上高は、同32・5%減の15億9500万円。ポンプやシール類の受注は伸長したが、タイヤ加硫機用バルブの受注が大幅に落ち込んだことに加え、ショットブラスト装置や断熱板の受注も落ち込み、前年同期の実績を下回った。高機能材業界向けの売上高は、同35・8%減の12億2700万円。硝子メーカー向けで洗浄装置、製薬会社向けでポンプユニットの受注が伸長したが、非鉄金属メーカー向け廃棄物処理プラントの受注が大幅に落ち込んだことに加え、非鉄金属メーカー向けで削岩機器類の受注が落ち込み、前期を下回った。
環境業界向けの売上高は、同12・1%増の12億6400万円。下水処理施設向けで免振配管設備や配管修繕工事などを受注したほか、環境プラントメーカー冷却設備向けでダンパ、ジャバラや自社継手製品の受注も伸長し、前期を上回った。紙パルプ業界向けの売上高は、同24・7%減の5億7400万円。製紙会社調薬設備の修理や抄紙工程のメンテナンスを受注したものの、大型案件の受注に乏しく、前期を下回る推移となった。

業績予想と配当を上方修正

また、同社は最近の業績動向を踏まえ、昨年11月6日に公表した業績予想を上方修正した。これに伴い、8月6日に公表した期末配当予想を5円増額した。
中間期末時点では、特に国内で新型コロナ感染症の影響に伴う景気低迷が継続すると想定していたが、各業界とも徐々に回復の兆しがみられることから修正したもの。自社製品では主力の工作機械用回転継手が工作機械受注の回復に伴い増加傾向にあり、海外でも中国や米国の子会社で回復傾向が継続している。こうした状況から通期連結売上高を8億円上回る354億円、経常利益を3億5千万円上回る17億5千万円に修正。営業利益は3億1千万円上回る16億3千万円、純利益は2億Ⅰ千万円上回る11億6千万円に上方修正した。また、期末普通配当予想を5円増額して20円とし、中間配当と合わせた年間配当は35円になる見込み。