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(株)キシヤ
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創業110周年、6月に筑紫野の新物流センターが本格稼働
(写真)6月に本格稼働する「福岡物流センター」(筑紫野市岡田3丁目)
今年創業110周年を迎える地場老舗の総合医療機器商社。福岡市博多区の福岡物流センターを筑紫野市に移転し、6月から本格稼働する。今期は売上高700億円を目指す中期経営計画の最終年度で、13期連続の増収と目標達成を見込む。4月には過去最多の新卒31人が入社。さらに九州に根差し、地域社会に貢献していく。
今期売上高700億円見込む
「社会が求める社会から必要とされる本物の企業を目指す。本物とは何かを常に探求しながら」。
今年創業110周年を迎える九州屈指の総合医療機器商社㈱キシヤは、この経営理念のもと医療機関との信頼関係を築き、発展を続けてきた。福岡空港の滑走路増設事業に伴い、6月に福岡物流センター(福岡市博多区榎田)を筑紫野市に移転する。延べ床面積は現在の2.5倍超の1万8,244㎡。アイテム数・量ともに九州最大規模の在庫量を有し、安定供給の要となる。商品特性に合わせた2種類の自動倉庫を導入し、システムで出荷から最終検品まで管理するほか、バーコードによる全品製造ロット・使用期限の管理など、高精度な運用の準備を進めている。災害時にも供給を止めることが無いよう、「自家発電装置」を導入。災害・有事に対しても万全の備えだ。「高度な物流機能の粋を集めた“次世代を担う高機能物流センター”という位置づけで、安心安定のより良いサービスを目指す」と楠田幸次郎社長。営業所も併設し、体制整備に全力を注ぐ。
一方、2018年に販売開始した、医療機関向け施設基準管理システム「iMedy(アイメディ)」が病院経営の効率化・収益改善を支援する製品として注目を集めている。施設基準と従事者に関する情報を一元管理し、適正な業務をサポートするシステムで、全国各地で個別デモ説明会を開催し、提案を進めている。国立大学病院での採用が増えており、堅調な動きを示す。今期(2020年5月期)は売上高700億円を目指す5カ年中期経営計画の最終年度で、13期連続の増収と目標達成を見込む。「次の中期経営計画に向けて、上々のスタートが切れるよう準備していく」と先を見据える。
(写真上)センターの倉庫内 (左下)バケットスタッカー (右下)毎年1月に開催するインターンシップ |
今春は過去最多の新卒31人入社
市場に流通している医療機器は、60万品目以上に及ぶと言われる。注射器や包帯など小さなものから、CTやMRIといった大型機器まで幅広く、日々変化する顧客のニーズに応えるためにはさまざまな知識が必要だ。そのため、同社では社員教育に力を入れている。3週間の新入社員研修で社会人としてのマナーの基礎、医療知識、PC・システム操作、営業同行(OJT)など幅広い内容で構成。また、若手社員に対するスキルアップ勉強会も実施している。そのほか、営業セールス研修(3〜5年目)や階層別の新任者研修といった充実の教育制度がそろう。ルート営業をメインに、チーム目標制で取り組むスタイルで、成長を続けている。
近年では、大学の就職課訪問やインターンシップの強化に取り組み、自社の知名度、ブランド向上を図ってきた。20年卒を対象に昨年開いたインターンシップでは、参加者12人中9人が採用説明会に参加、6人が内定(5割)と優秀な人材の確保にもつながっている。特に最新医療機器の操作体験は学生から好評という。 今春は過去最多の31人が入社(男性15、女性16)し、初めて女性の数が上回った。産休・育休復帰率は94%と高く、柔軟な働き方ができる環境も寄与しているだろう。
真心を知識で包んで仕事に臨む—。長い歴史と実績におごることなく、熱い想いを持って取り組み、新たな時代の信用と信頼を築いていく。
楠田 幸次郎 社長 くすだ・こうじろう/筑紫野市出身。1958年3月25日生まれの62歳。趣味はゴルフ、読書 |
採用情報
募集職種/総合職(営業、物流管理)、一般職(事務)
応募資格/2021年大学卒業見込み(全学部全学科)
採用実績/20年度31人
採用予定/16~20人
インターンシップ/1月開催予定
問合せ先/TEL. 092-510-1000
担当/人材開発課 土井元昭・福田朱梨
(ふくおか経済EX2020年)