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トライアルHDのAI開発拠点が完成へ 宮若市


週刊経済2021年1月26日発行

来年以降、地元農産物使用のレストランも

宮若市(有吉哲信市長)では昨年9月、ディスカウントストア運営の㈱トライアルホールディングス (福岡市東区多の津、永田久男社長)とリテール(小売り)AI技術開発拠点「リモートワークタウン ムスブ宮若」の開設等に関する連携協定を締結しており、今年春以降、IT・AI技術を活用した同社の小売流通拠点と、「食」を通じ地域活性化を目指す新たな拠点が宮若市内に完成する計画。
これまでセルフレジ機能を搭載した「スマートショッピングカート」や、グループが独自開発した世界初の小売に特化した「AIカメラ」を開発するなど、独自のリテールAI技術を磨いてきた同社。このプロジェクトは、リテールAI企業としてさらなる成長を目指すトライアルと、宮若市が協力して実施するまちづくりプロジェクトの一環で、公共施設跡地を活用し開発が進められている。その第一弾として、旧宮田西中学校(同市芹田)を改装したトライアルのAI技術開発拠点が完成予定となっている。
そして、旧笠松小学校(同市下有木)を改装し、アパレルやホームファッション分野におけるモノづくり、販売、接客面において最新テクノロジーを活用した新たな購買体験を提供する「ファッションビレッジ」の開設を予定している。同社はこのファッションビレッジを、最新テクノロジーを活用した「全く新しい形のビジネスモデルとして構築するためのクリエイティブなアートラボ」と位置づけ、デザイナーやインフルエンサー、コンシェルジュなどが集うだけでなく、5Gを活用した次世代の新しい購買体験の提供を目指すという。
このほか、研修宿泊施設として運営されてきた「スコーレ宮若」(同市乙野)の跡地に、宿泊施設を兼ね備えたオーべルジュ、温泉旅館一体の複合型商業施設が完成する予定。その後、宮若市内で「スマートストア型店舗」を出店。宮田ショッピングセンター跡地(同市宮田)には、AIカメラによるデータを活用し、最適な購買体験を提供する新店舗を出店する計画もある。
さらに、宮若市とトライアルHDの共同運営店舗で、宮若市内で生産された農産物などを販売する「ドリームホープ若宮」を旧吉川小学校(同市脇田)グラウンドに移設し、来年3月までに新店舗を完成させ、4月以降にオープン予定。そのほか、この「ドリームホープ若宮」で取り扱う農産物を使用したレストラン「グロッサリア」の開設も計画するなど、AI開発、まち全体の賑わいにつながる取り組みに期待が集まる。