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 減収減益も「現時点でコロナ禍の影響は軽微」  九電工第1四半期決算


通期も減収減益予想

㈱九電工(福岡市南区那の川、佐藤尚文社長)の第1四半期決算(連結)は、売上高は前年同期比5・1%減の794億3900万円、経常利益は同13・8%減の46億5500万円で減収減益だった。
期初から、新型コロナウイルス感染症への対応を最優先に新たな企業活動・働き方を試行してきた。施工面では前年度末から保有する大型案件で入場制限が実施されるなど、一部に工期などへの影響が見られたが、手持ち工事の計画中止などは見られず、売上高は微減の範囲に留めた。一方で受注高は、前年同期比15・3%減の786億7500万円と大幅減。緊急事態宣言を受け、顧客への訪問が憚れる状況が6月初頭まで続いた上、県境間の悪化を受けた発注の先送りや計画の見直しなども見られ、特に地域密着営業の分野では受注量が1割程度減少するなどコロナ禍の影響が顕在化した。利益面では、営業利益は同17・4%減の38億6200万円、四半期純利益は同18・8%減の31億1900万円でいずれも2けた減益だった。
また、コロナ禍の影響で未定としていた通期の業績予想も当期決算に合わせて公表。売上高は前期比3・7%減の4130億円、経常利益は同12・0%減の340億円、最終利益は同14・3%減の225億円で減収減益の予想となった。前提として、第1四半期までに明らかになったコロナ禍の影響が第2四半期まで継続すると想定し、下半期にはその影響は織り込んでいない。状況の変化に伴い、業績予想の見直しを行うとしている。
佐藤社長は本誌9月号のインタビューで「今はまだ、コロナ禍の影響が収益に大きく響いているわけではない。ただ、今後景気が後退局面に陥り、設備投資需要が縮小する動きが表れると、開発の延期や見直しが増えてくる可能性もある」と危機感を強めている。

2020年8月18日発行