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拡張・新規ニーズが活発で空室率は依然として低水準  東京都のCBRE調べ


福岡市のオフィス平均空室率

2020年第1四半期(1~3月)の福岡市のビル(延べ床面積が3300㎡以上で新耐震基準に準拠したビル)のオフィス平均空室率は、前期(2019年第4四半期)から0・3ポイント低下し0・4%となり、依然として低水準で12期(3年間)連続して1%割れが続いている。
事業用総合不動産サービス・CBRE㈱(東京都港区)の調べによるもの。前期に目立った、新築オフィスビルへ移転する企業の2次空室などが消化されたことが低下の要因と見られ、依然として2次空室は市場に募集が出る前に、館内テナントの増床移転によって消化されている。また、企業のオフィス拡張や新規開設の需要は引き続き活発で、既存の空室も堅調に減少している。ただ、今年も福岡エリアのオフィスマーケットは堅調だと予測されていたが、新型コロナウイルスの影響がいつまで続くのか予測できない状況にある。同社では「緊急事態宣言によって一部業種に休業要請が出されたなど、直接的な影響を受けている業種・企業が出てきており、今後、不動産市場にどのような影響をもたらすのか、注視する必要がある」と分析している。
想定成約賃料については前期から1・7%上昇し、16450円/坪(共益費込)となった。博多駅や天神駅近くの大通り沿いの大型オフィスでは、平均単価2万円/ 坪以上の成約事例も増えてきている。引き続き、博多・天神エリアを中心に成約賃料の上昇が見られ、福岡市全体の賃料相場上昇に大きな影響を与え続けている。一方で以前までは競争力の高いビルに空室が出るとビル側が優位に募集条件を決め、空室も早期に解消されていたが、福岡エリア全体の賃料が上昇した結果、空室状態が以前より長期化しているビルも出てきている。「テナントも慎重に移転や開設を検討している様子がうかがえるため、 ビル側はよりマーケットの動きを的確にとらえ、募集を行う必要が出てきている」としている。

2020年6月30日発行