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西区豊浜に細胞培養加工施設を新設  医療法人香華会


再生医療の普及を図る

再生医療を手掛ける医療法人香華会(=こうげかい、福岡市西区姪の浜4丁目、久保田奈緒理事長)は4月13日、同区豊浜2丁目に自己脂肪由来幹細胞治療で活用する細胞の培養加工施設を新設した。運営は再生医療コンサルティングの㈱ASメディカルサポート(福岡市)が手掛ける。
自己脂肪由来幹細胞治療は再生医療のひとつで、培養・増幅した患者の幹細胞(腹部の脂肪などに存在)が機能不全の臓器などへの好作用により正常な身体機能に戻すもの。もともと香華会が運営する朱セルクリニック福岡院(2018年開院、福岡市西区)では、糖尿病や変形性関節症患者に同治療を手掛けており、厚生労働省への届け出や受理済の細胞加工施設「福岡再生医療センター」(運営は㈱ASメディカルサポート、今回の新設施設とは施設番号が異なる)を既設していた経緯がある。今後香華会では同治療に基づいた再生医療の普及を図っていく考え。
場所は通称・マリナ通り「愛宕小学校西」交差点そばのメディカルシティマリナ通りビル3階。フロア面積111㎡。細胞培養士が常駐。施設内では血清の分離や、温度や湿度などを一定にしたCO2インキュベーター(細胞培養機器)を用いて、独自技術を活用した培養済の脂肪細胞と血清を加えた培養液で培養を手掛けるほか、無菌検査やマイコプラズマ否定試験なども実施。また安全面の観点から、細胞は1検体ごとにQRコードで管理するほか、同施設から再生医療を手掛ける医療機関への出荷時には48時間以内の使用を義務付けるという。
医療法人香華会は2017年3月設立。福岡と東京で再生医療を手掛ける「朱セルクリニック」を運営している。

2020年6月16日発行