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経常利益は約24%減の400億円で3期連続の減益に  九州電力


最終損益で4億円の赤字

九州電力㈱(池辺和弘社長)の2020年3月期決算は、連結で売上高が前年比0・2%減の2兆130億円、経常利益は同23・8%減の400億円で3期ぶりの減収、3期連続の減益だった。
ICTサービス事業で増収(前年比6・9%増の1126億円)となったことや、国内電気事業で再生エネルギー特措法交付金が増加したものの、電灯電力量や他社販売電力料の減少などで微減収。支出面では国内電気事業で火力発電単価の低下などによる燃料費が減少したものの、松浦火力発電所2号機の運転開始に伴う減価償却費、再生エネルギーなどからの他社購入電力料、連結子会社の電力調達費用などが増加したことで減益。また、最近の業績動向などを踏まえ、繰り延べ税金資産を一部取り崩したことによる法人税などの増加によって、最終損益で赤字となった。今期(21年3月期)の予想は、コロナウイルス感染拡大の影響が不透明なことから、売上高、利益ともに未定としている。
池辺和弘社長は「夏は冷夏、冬は暖冬で電気が売れない1年だった。減益となったが、みんなで知恵を絞って頑張った結果、400億円の利益を確保することができた」と講評、コロナウイルス感染拡大が経済に与える影響については「経済はマイナスだが、大事なのは命。休業でデパートなどは閉店しているものの、医療機関や官公庁はフル稼働している。人命を守るという意味でも電力を供給することは大事。しっかり支えていきたい」と話した。

2020年5月19日発行