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県内初の商用水素ステーションで特区活用  大阪市の岩谷産業    投資額は4~5億円


 大手ガス商社の岩谷産業株式会社(大阪市中央区、牧野明次社長)は10月2日、北九州市小倉北区に開設する水素ステーションの設備投資で、県、両政令市が進める「グリーンアジア国際戦略総合特区」の指定法人制度を活用することを決めた。
 水素ステーションは、今年度にトヨタが市場投入を予定するFCV(燃料電池自動車)へ燃料を供給する設備で、FCV普及拡大に向けた最重要課題に位置付けられる。同社は7月に大阪で全国初の商用ステーションを開設するなど他社に先駆けて整備に力を注いでおり、福岡県内及び九州内でも初の事例となる。自社のLPG充填工場に併設する形で開設する同ステーションの設備投資額は4~5億円の見込みで、今年10月には完成予定。稼働開始はFCV販売開始後の来年3月を予定する。今回、同特区の指定法人となったことで、この設備投資を対象とした課税の特例措置を活用する予定。同特区にとって、28社目の指定法人となった。
 同社は福岡市の天神地区に移動用の水素ステーション開設も計画しており、今年度中に全国20カ所で商用ステーションを開設する計画。この日、法人指定所を交付した小川洋福岡県知事は「FCVの普及拡大は、特区の理念に大きく貢献するもの。FCV普及に欠かせないステーションの整備に対しては、県を挙げて積極的に支援していく」と県独自の支援制度を講じていく方針を示した。指定所を受け取った田井中秀喜岩谷産業九州支社長は「水素は究極のエコエネルギーとして注目し、他社に先駆けてノウハウを蓄積してきた。福岡県は特に水素エネルギーの普及に積極的な自治体なので、これまで以上に連携して共にステーションを整備していきたい」と話した。