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県内の医療機関にCLT設置  采建築社


新型コロナ感染拡大対策に寄贈

建築、新築住宅などの㈱采建築社(福岡市早良区野芥4丁目、惠美須健也会長)は4月18日、久留米市と福岡市の医療機関に箱型建築物ユニットを設置し寄贈した。
今年から新事業として多目的に利用できる箱型建築物ユニットの新工法「CLT CELL UNIT」の生産を進めている中で、昨今の新型コロナウイルス感染拡大を受けて、医療施設敷地内に設置することで、感染拡大防止対策としての活用を見込む。CLTはひき板を並べ、繊維方向が直交するよう積層接着した木質系材料で、建築資材として使用されてきた従来の集成材より強度が安定しているため、変形しにくくコンクリートにも匹敵する強度で構造躯体として建物を支えることが可能。断熱性や遮熱、遮音、遮炎といった面で高い機能があるため、同社はこのCLTの利点の活かし、横4・6×高さ3×奥行2・3mの箱型の木製ユニットを基本とし、自由に組み合わせて建築を造る工法を開発した。工場で構造体ユニットを組み、現場では基礎の上に据え置き、CLTを連結させるだけの工法で工期短縮も実現する。
今回は10㎡未満のユニットを設置。隔離された仮設病棟、診療、検査施設。また、院内感染対策として患者を分けた受け付けなど医療従事者の安全確保などに活用できるという。惠美須会長は「昨今の海外ニュースではテント張りの仮設棟を頻繁に目にし、社会活動を行う一企業として、何か貢献できるものはないかと考え寄贈に至った。これからの季節、台風や大雨、地震など自然災害も懸念される中、最悪の事態を想定した準備も必要。何か力になれば」と話している。

2020年4月21発行