INTERVIEW
- 新型コロナ支援
公式SNSで取引先飲食店などの情報を発信/西日本シティ銀行 デジタル戦略部
Tag: 地元応援、新型コロナ支援
西日本フィナンシャルホールディングス(西日本FH)グループの中核会社、㈱西日本シティ銀行(福岡市博多区、谷川浩道頭取)は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた事業者を応援するため、公式SNS(Twitter・Facebook)の投稿を通じた事業者の情報発信(無料)を4月24日から開始した。今回の「地元応援!NCB」プロジェクトを企画したデジタル戦略部の尼田雅典マーケティンググループ主任調査役と伊藤尚人さんに話を聞いた。
地銀トップのフォロワー数誇るTwitterを活用
まず、今回のプロジェクトの狙いについて、尼田主任調査役は「西日本FHグループでは以前から地域に寄り添う金融機関ということを念頭に事業活動を展開してきましたが、今年4月から始動した新中期経営計画『飛翔2023』ではそのキャッチフレーズに『~地域の元気を創造する~』を掲げ、その指針を明確にしました。現在のコロナ禍においても当行では谷川頭取の大号令の下、資金繰りなどの金融面だけでなく、地域金融機関ならではの支援策を拡充しているところです」と明かす。
新中計の基本戦略の1つである「お客さま起点の“One to Oneソリューション”の提供」においてデジタルチャネルの機能向上を推進すべく今年4月に新設されたデジタル戦略部では、公式SNS(Twitter・Facebook)の運営を広報文化部から引き継いでおり、中計のキャッチフレーズ『~地域の元気を創造する~』に向け、自行のSNSでグループの商品やサービスの情報だけでなく地域の顧客に有益な情報の配信を開始している。今回の「地元応援!NCB」プロジェクトにおいては、全国の銀行で8位、地銀ではトップのTwitterフォロワー数(1万4,319人、5月13日現在)に着目し、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた取引先を応援するため、取引先のテイクアウトやデリバリーの情報、インターネット販売の情報などを公式SNSで配信するプロジェクトを企画した。
「正直、他の地銀さんはあまりTwitterなどSNSに力を入れていないと思われますが、当行では広報文化部で地道にSNSでの情報発信を続けてきました。そうした当行の強みを今回のプロジェクトで活かさない手はないと考えました」(尼田主任調査役)という。
営業店が情報を収集、最大で1万1500人が投稿を閲覧
公式SNSへの情報の投稿に関しては、各営業店が情報を収集している。
まず投稿候補となり得る取引先の食事をテイクアウトするなど利用した上で、この取り組みを説明して掲載許可を取得。営業店で投稿内容を考え、写真を添えてデジタル戦略部に情報提供し、同部で内容を審査・確定した上で情報を投稿しているという。5月21日現在、20件超の情報を発信。Twitterでは、最大で1万1500人に投稿を閲覧されているほか、SNS上では取引先だけでなく、一般の人からも好意的な投稿が寄せられているという。
尼田雅典主任調査役は「おかげさまで、お客さまから高い評価をいただいており、営業店のモチベーション向上にもつながっています。このプロジェクトの周知を強化し、さらに多くの情報発信で取引先の支援につなげていきたい。当行からの情報発信を希望される場合は、取引店または最寄りの営業店までぜひお問い合わせください」と強調する。
学生レポーター募集し、経済的影響を受ける学生も応援
さらに「地元応援!NCB」プロジェクトでは5月22日から29日まで、この公式 SNS(Twitter・Facebook)への投稿に協力してもらう学生レポーター25人を募集している。入行5年目の同部・伊藤さんは「今回の新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、学生さんも生活費に充てていたアルバイト代の減少などで経済的な影響を受けていると聞きます。そうした学生さんたちを少しでも応援できたら」と同企画への想いを語る。
学生レポーターたちには6月末までに1人あたり5 店舗の投稿を企画してもらう。営業店の行員同様に、投稿候補となる生活圏内の飲食店(生活圏内の飲食店を選定)などを利用した上で、許可を得て写真を撮影し、自身の購入・体験の感想を添えて投稿内容を企画してもらうとともに、投稿した内容の Twitter での拡散(リツイート)にも協力してもらうという。謝礼は12,500 円(商品等の購入費や交通費等含む)で、優れた投稿企画者3 人には別途 5,000 円の VJA ギフトカードを贈呈する。
最後に、「今回のプロジェクトを通じて、地域の取引先事業者さまや学生さんとの絆を深めていければ」と語る尼田主任調査役。デジタル戦略部では4月から結婚や子育て世代を応援するブログも開設しており、今後も「地域の元気を創造するメディア」に力を入れていく方針だ。
(取材/高崎裕晴)