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(株)九州テン
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無線通信技術の職人集団
充実した環境で自己実現
富士通グループとして九州を基盤に無線通信機器の開発・製造・保守をワンストップで手掛ける㈱九州テン。安定した基盤を築く同社は、創業以来51年間一度も赤字決算がなく、6年連続で過去最高売上高を更新している。近年では若手社員の処遇改善や定年延長など、労働環境の改善にも積極的に取り組む。
創業以来赤字決算なし今期180億円突破
1967年にタクシー無線の製造・保守で創業後、富士通製のコンピュータ保守や防災無線機の製造を手掛けることで事業を拡大してきた九州テン。ものづくりと保守サービスの2本柱で成長してきた同社は、現在過去最高売上高を6期連続更新中で、2019年3月期は過去最高の180億円を突破した。
2016年には佐世保本社(現在は佐世保本店)に従来の2倍の広さを誇る新工場を建設。新工場は最新設備と高レベルのクリーン度を完備するほか、近年生産台数が伸び続けているドライブレコーダーの増産や多種多様な製品受注に備え、フレキシブルな生産ライン構築に対応した造りとなっている。
好調に受託生産を伸ばす一方で、自社商品の研究開発にも力を入れる同社。これまで入退出管理や在庫管理に活用できるアクディブRFIDタグ「タグステーション」やIoT用通信機器の「QRIoTⅡ(キュリオットツー)」、医療機器管理システム「ACE.Medi(エースメディ)シリーズ」など、独自の最新技術を駆使した商品を幅広く手掛けている。
17年に福岡本社開設
労働環境を改善
設立50周年を迎えた2017年には採用面の強化を図り、佐世保市から福岡市博多区に本社を移転。祇園駅近くの九勧博多駅前ビルに入居する本社には、システムソリューション事業本部を中心に約160人もの社員が日々活躍している。
佐世保、福岡を拠点に九州全域〜関東・関西地区までカバーする同社は、現在約570人体制で業務にあたっている。その9割はエンジニアで構成され、システムエンジニア、ハード系のエンジニア、フィールドエンジニアに大きく分かれる。入社後は原則希望の部署に配属され、各職種に応じた育成プログラムを通じてプロのエンジニアへと成長していく。昨年には人事制度の全面的な見直しを行い、やる気次第で若い社員も昇進できる環境を整備した。
定年延長など新たな働き方の一手に着手
「社員の健康も経営資源の一つ」と捉え、昨年には長崎県から健康経営推進企業の認定を受けた同社では、ワークライフバランスの確保に向けた取り組みにも積極的にチャレンジしている。その一例として、年次有給休暇の取得推進や毎週水曜日のNO残業デーの設定をはじめ、新たにシニア世代の社員を対象とした処遇制度改革にも着手。シニア世代の社員に対しては、働くモチベーションや能力を一層引き上げるための教育をしたうえで、2019年度に61歳定年制に踏み切った。将来的には2030年を目標に段階的に定年65歳まで引き上げる方針を掲げている。
このように多角的に労働環境向上に取り組む同社の新卒採用者については、5年で90%と高い定着率を誇る。その背景には、ミスマッチ防止策として取り組む単独会社説明会での学生と若手社員の座談会開催や、富士通グループとコラボしたインターンシップでの企業研究など、慎重な採用活動が生かされている。
急速に変化し続ける昨今のICT社会において、九州テンは企業理念である「感性型企業の確立」を目指し、次なる50年へと着実に歩みを進めている。
間嶋 力彦 社長
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【DATA】
所在地/〔福岡本社〕〒812-0011 福岡市博多区博多駅前2-19-27 九勧博多駅前ビル
〔佐世保本店〕〒857-0405 長崎県佐世保市小佐々町葛籠278番地18
TEL/092-473-5022
FAX/092-473-5024
設立/1967年 12月1日
資本金/1億円
事業内容/各種無線・通信機器等の製造、ハード・ソフトウェア開発、リペア業務、ICT機器全般の設置及びサ ポート、電子通信工事
代表者/間嶋力彦
従業員/573人
出先/福岡(5)長崎(7)佐賀(4)大分(5)熊本(4) 鹿児島(9)宮崎(6)兵庫(3)神奈川 名古屋 広島 那覇
URL/https://www.qten.co.jp/
採用情報
募集職種/技術職:設計開発(ハード・ソフト)、通信ネットワーク工事、フィールドエンジニア・総合事務職(コーポレート系)
応募資格/2020年3月卒業見込みの方(大学院・大学・高専専攻科・本科・技術系専門学校および短大)
採用実績/2019年度22人
採用予定/2020年計画30人~35人程度
問合せ先/TEL.092-473-5022
担当/守山・伊東
(ふくおか経済EX2019年)