FEATURE

ふくおか経済EX 2019

(株)シダー


「生き方」に寄り添った最適なサービスを提供

「春の陽だまりでありたい」をコンセプトに、全国で介護サービス事業を展開。来年度のインドネシアからの外国人技能実習生の受け入れ体制も整い、新たな介護人材の開拓に注力している。新卒採用や研修体制の強化、労働環境の整備なども進めており、幅広い人材の活用でより一層の飛躍を目指す。

介護付有料老人ホーム、デイサービス、訪問看護を併せた複合サービスを展開する同社。創業以来、リハビリテーションを重視し、積極的に介護予防に取り組む。「できるだけ永く自分らしく過ごしてほしい」という思いのもと、「生き方」に寄り添った最適なサービスを提供している。
デイサービスは、ゆとりある空間を生かした大規模型施設(80人規模240㎡以上)を中心に展開。トレーニングルームをはじめ、カラオケやシアター、マッサージルームなど各個人に合った活動を楽しめるのが特徴だ。認知症対応デイサービスも設置し、既存施設を要支援・要介護・認知症フロアに分け、それぞれに合ったサービスを提供するなど、工夫を凝らしている。訪問看護、居宅介護支援などの在宅サービスにおいてもスタッフのきめ細やかなフォローがあり、利用者からの信頼が厚い。
介護付有料老人ホームは、施設見学や体験など気軽に入居できるシステムと24時間365日の万全なサポート体制が強みだ。1階フロアでは、スタッフがデイサービスと同等のサービスやリハビリを行い、2階の居室では自宅に居るのと同様に、訪問リハビリ、訪問介護、ヘルパーのサービスを提供。家庭菜園など近隣の保育園や地域住民との交流ができるスペースもあり、好評を博している。座小田孝安社長は「全国42カ所ある老人ホームのうち2施設以外はほぼ満室になり、入居率は約98%。紹介センターへの働きかけを強化した成果が表れている」と目を細める。

「あおぞらの里 西原デイサービスセンター」完成予想図(熊本市東区西原2丁目、19年5月開設予定)

子会社パインの展開が拡大

子会社の㈱パイン(福岡市東区和白丘2丁目、松尾剛社長)は3月1日、横浜市鶴見区下野谷町に介護付有料老人ホーム「見の鄕(つるみのさと)」(100室)を開所した。新規施設は実に11年ぶりという。座小田社長は「50人以上の大規模な公募に備えて、シダーと2社で展開を拡大させていく。採用強化し、利益体質の組織作りを進める」と話す。パインでは、17年に開設したコインランドリー併設の就労継続支援A型事業所「パイナップル」(北九州市小倉南区北方3丁目)における障害支援事業、福祉用具レンタル・介護用品販売、介護保険住宅改修などを展開しており、新規事業を模索していく方針だ。
シダーでも、5月に「あおぞらの里 西原デイサービスセンター」(熊本市東区西原2丁目)を開設予定で、同県初進出となる。年度内には北九州市の既存3施設にケアプランセンターを新設する計画。現在の事業所数は全国105拠点体制で、着々と拠点網を拡大している。

介護付有料老人ホーム「見の鄕(つるみのさと)」の開所式。前列左から3人目が松尾剛パイン社長

外国人技能実習生100人の受け入れ目指す

この2月、千葉の3施設でインドネシアから技能実習生6人の受け入れがスタートした。将来的には100人程度まで拡大したい意向で、今後はベトナム等も視野に来年には第2弾を実施する考えだ。多くの受け入れを可能にすべく、社内規定や規則の見直しも進めていく。また、人材育成と管理体制強化に伴い、社内管理職の人数を前期比80人増の190人(18年期首時点)に拡大した。役職取得に向けた社内試験や資格等のスキルアップ研修も実施し、幹部候補の育成に余念がない。働き方改革についても、副業容認や処遇改善などを検討している。採用面では高卒に注力し、学校訪問を強化。今春は26人中23人が高卒という。「資格取得に向けて若いうちから取り組めるメリットもあり、定着率も高い」と語る座小田社長。新卒と中途をバランス良く確保し、幅広い人材の活用でより一層の飛躍を目指す。

座小田 孝安 社長
ざこだ・たかやす/北九州市若松区出身。1963年1月25日生まれの56歳。国立療養所福岡東病院附属リハビリテーション学院卒。16年6月社長就任。趣味はスポーツ観戦

【DATA】
所在地/〒810-0001  福岡市中央区天神1-15-5
T E L/090-7396-9176
設  立/2018年6月
資本金/500万円
事業内容/経営コンサルティング
従業員/2人

(ふくおか経済EX2019年)