FEATURE

ふくおか経済EX 2019

(株)オーレック


卓越したアイデアで新時代の農業を切り拓く

オリジナリティーを追求したものづくりに賭ける思いを原動力に農業分野で新たなマーケットを創出する㈱オーレック。卓越したアイデアとそれをカタチにする技術力で常にニーズを先取りしてきた同社は、全面リブランドにより農業の魅力発信に尽力、トップメーカーとして日本の農家を支え続ける。

農の新市場創出で成長の一途

乗用草刈機、自走式草刈機の分野で国内4割、OEM含めると5割以上のシェアをもつ。「世の中に役立つものを誰よりも先に創る」精神で、戦後の物不足の時代から小型農業機械を中心に製品開発に取り組み、従来にない領域を開拓。業界初の製品を次々に世に送り出してきた。同社の主力製品の斜面用草刈機「スパイダーモアー」、あぜ道を刈る二面草刈機「ウイングモアー」、乗用草刈機「ラビットモアー」などは、当時から業界にないオリジナリティー溢れる革新的な製品として注目を集めてきた。1988年の2代目社長就任以来、「百見は一感に如かず」と持論を説いてきた今村健二社長。何よりも現場主義に重きを置き、農家に出向き農業体験で得た現場の声を製品に反映してきた。
本社敷地内にはテクノセンターと製造工場を構え、設計開発から生産までを一貫して行う。2018年には研究開発棟を新設し、開発力強化へ向けた設備投資にも積極的だ。その徹底したモノづくりは実績に裏打ちされ、農業機械業界における国内市場がこの約30年間で半分以下にまで縮小するなか、同社は26億円から136億円と成長の一途をたどっている。「限られた市場でパイを奪い合うのではなく、従来存在しなかった新しい市場を創り出すことでチャンスは生まれる」と今村社長。17年には開発に14年かけた同社初の水田除草機を発表。業界初機構で実現した確かな除草能力と自然との調和への願いが込められた同社のブランドカラー「Harmonic Green」を纏った新たなデザインが、第48回機械工業デザイン賞の審査委員会特別賞を受賞するなど各方面から注目を集めている。
一方、海外展開においても、メイドインジャパンの高性能・高品質を広く発信し、欧米に加え、オセアニア、アジア圏を中心とした販路開拓を強化している。
16年には全面的なブランドリニューアルを実施し、「草と共に生きる」という新たなコンセプトを掲げ、ロゴや製品デザインを一新した。主要製品の草刈機は、有機農法の手段の一つとなる「草生栽培」を可能にする。創業から70周年の節目を前に、環境と調和した社会を目指す姿勢を改めて打ち出した。さらに、ブランド発信拠点「グリーンラボ」を全国に展開。その強みを持続させるべく新たな一歩を踏み出した。

八女郡広川町の本社・工場

地域を支える人材づくり

自ら世の中に役立つ“人財”を育てるため社員教育にも力を入れる。価値を創造するチャレンジ姿勢や成長を奨励するインセンティブ制度、国内外研修など多様なスキルアッププログラムを展開している。「会社の役割は社員がのびのびと、そして全身全霊で仕事に向き合える環境を整えること」(今村社長)。18年10月に創業70周年を迎え、記念事業にも取り組みフォトコンテストや川柳コンテストを開催。農業だけでなく、農を起点として新たな事業領域にも着手しており、全社員でさらなる飛躍を目指す。
就農人口は減り、TPP問題で海外からは安い農産物が流れてくるかもしれない。だが、新たな可能性を生み出せる農産物が日本に多くあることも言明し、安心安全な食づくりを、農業機械で後方支援し、新時代を迎える日本の農家を支えていく。

今村 健二 社長
いまむら・たけじ/久留米市出身、1952年7月5日生まれの66歳。明治大学工学部機械科卒。座右の銘は「百見は一感に如かず」

 

【DATA】
所在地/〒834-0195 八女郡広川町日吉548-22
T E L/0943-32-5002
F A X/0943-32-6551
創 業/1948年10月
設 立/1957年7月
資本金/9,500万円
事業内容/緑地管理機 農業機械製造販売
年 商/136億円(2018年6月期)
従業員/315人
関連会社/Orec America, Inc.
U R L/http://www.orec-jp.com/

採用情報
募集職種/総合職(研究開発、生産改善、営業)
応募資格/高専卒業以上
採用実績/2019年度14人
採用予定/12人
問合せ先/TEL.0943-32-5072
担当/ブランディング広報グループ

(ふくおか経済EX2019年)