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木造建築の新工法を開発  SAIグループホールディングス


特許を取得

建築、新築住宅、経営コンサルなどのSAI GROUP HOLDINGS㈱(福岡市早良区野芥4丁目、恵美須健也社長)は木造建築における新工法を開発し、12月26日から新事業として開始した。
開発したのは箱型建築物ユニット「CLT CELL UNIT」で、国産木を使用した新建築工法の構造体。CLTはひき板を並べ、繊維方向が直交するよう積層接着した木質系材料で、建築資材として使用されてきた従来の集成材より強度が安定しているため、変形しにくくコンクリートにも匹敵する強度で構造躯体として建物を支えることが可能。断熱性や遮熱、遮音、遮炎といった面で高い機能があるため、同社はこのCLTの利点を生かし、工場で構造体ユニットを組み、現場では基礎の上に据え置き、CLTを連結させるだけの建築工法で工期短縮を実現する。横4・6×高さ3×奥行2・3mの箱型ユニットで、日本古来の宮大工の技術を生かし、金具は使用しない木材100%で、組合せを自由設計することで個性的な建築を可能にし、さまざまな用途に対応できる。現場へは最短一日で収めることができ、内外装を仕上げ完成となるため、従来より3分の1の工期を想定。さらに、工場でつくるため、雨に濡れることなく含水率が維持できるという。同工法はすでに特許を取得しており、個人、公共事業で施工実績を重ねていくとともに、販売加盟店や研究開発における出資企業を募集している。恵美須社長は「化学物質を使わない体に優しい住まいを実現するとともに、末期を迎えた国産木を使用することで流通量の増加、林業の発展にも貢献。日本の森を循環させる持続可能な循環型社会の形成につなげていく」と話している。
同社は2017年6月設立、資本金2000万円。新築住宅などの㈱采建築社を中心に6社を傘下にもつ。

2020年1月28日発行