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博多区博多駅前1丁目にAI特化の研究開発拠点  アイシン精機


九州の高度人材育成へ

トヨタグループの大手自動車部品メーカー・アイシン精機㈱(愛知県、伊勢清貴社長)は12月5日、福岡市博多区博多駅前1丁目に人工知能(AI)に特化した研究開発拠点を開設することを発表した。

新拠点となるのは、来年春開業予定の通称承天寺通り沿いのオフィスビル「九勧承天寺通りビル」5階内。フロア面積は536㎡。今回の新拠点では、AIを活用した画像解析により、車両の周辺監視や、乗員状態推定を行うソフトウェアや、生産技術の向上につながるソフトウェアの開発を担う。また、九州内のAI技術人材確保も期待しているという。操業開始は来年5月の予定。

5日に開かれた立地協定締結式には伊勢社長のほか、小川県知事と梶山千里福岡県産業・科学技能振興財団理事長らが出席。伊勢社長は「IT技術の中で最も高度な技術が必要なAI。各産業がその人材を欲しがる中、日本では人材が足りていない。人材確保が厳しい環境の中、当社はこの福岡に活路を求めた」と新拠点開設の背景を語り、「福岡は高水準の技術を身につけた理工系学生を相次いで輩出している。素養のある人材を東京だけでなく、九州からも確保したい」と期待を込めた。

式の中で小川知事は「アジアに近く、関東、中部からのアクセスの良さを評価いただき感謝している」と歓迎の言葉を述べ、梶山理事長は「ソフトウェアやAIの開発は米国、中国に比べ日本は遅れている。これを機に当財団は産業発展のため深く関わらせていただきたい」と、かつてないスピードで進化するIT技術へ協力を惜しまない姿勢を見せた。

同社は2014年に北九州学術研究都市技術開発交流センター内に「九州開発センター」を設立。その後、15年に東京都港区に「台場開発センター」を開設し、AIによるアルゴリズム開発とそれを実現するハードウェアの開発を担ってきた。

2019年12月17日発行