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ICコンテナバースの延伸岸壁は20年度内完成へ 九地整博多港湾・空港整備事務所


年明けから上部工工事へ

九州地方整備局博多港湾・空港整備事務所が、福岡市東区のアイランドシティ(IC)コンテナバースの延伸岸壁工事は2020(令和2)年度内に完成することが本誌の取材で分かった。
延伸岸壁工事は、昨年夏までに中央ふ頭に整備した大型クルーズ船対応の延伸岸壁と同じ、鋼材を立体的に組み立てたジャケットを据え付けるジャケット工法で進められているもの。総事業費は14億7000万円。7月14日には北九州市若松区で製作された重さ約350トン・全長70メートル、幅15メートルのジャケットが現在稼働中のコンテナバース西側に据え付けられる工事が行われた。現在、ジャケットと杭を一体化させるためのグラウト(ミルクセメント)の注入工事が12月初旬まで行われ、年末にはジャケット上部の床版工事に移り、20年度中の完成を目指す。また、同事務所は、新たに2基のジャケットを据え付け、約150メートルの岸壁を整備する。国によって整備された延伸岸壁は、その後、福岡市に引き渡され、市によるがんドリークレーンや照明器具の設置を経て、運用される。
博多港における2018(平成30)年の国際海上コンテナ取扱量は、95万TEU(20フィート換算)と2年連続で過去最高を更新する一方、貨物船が岸壁に着岸できない“沖待ち”が常態化しており、岸壁延伸による機能強化が課題とされていた。すべての延伸岸壁が完了すれば、ICコンテナバースには3隻の貨物船が着岸できるようになり、博多港は九州と世界をつなぐ国際物流拠点みなとしての機能がさらに高まることになる。

2019年9月25日発行