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「スマート農業」実現へ実証プロジェクト始動 福岡市


西区元岡などに実証フィールド

福岡市は9月2日、AIやIoTを活用した「スマート農業」の実現を目指し、これを可能にする技術「アグリテック」をテーマに実証実験を開始することを決めた。
政府が昨年策定した「未来投資戦略」で、「スマート農業」が推進すべき目標に定められたことを受け、地元農業の担い手不足解消を見据えて市の「実証実験フルサポート事業」のテーマに定めた。アグリテックに関わる事業者を全国から公募し、市内複数の農産品の栽培地、「実証フィールド」で実際に提案された新技術を導入してデータを集め、実現可能性を模索していく。実証フィールドには、西区元岡のいちご生産地(約20~40a)、同地区のトマト生産地(約15~35a)、同地区のバラ生産地(約40~60a)、東区松島の青ネギ生産地(約25a)の4カ所などを候補地に定めている。事業者の公募に当たり、福岡と東京の2カ所で説明会を開催する予定で、公募締切は10月7日。実証は11月から来年度まで実施する予定で、実証で有用なデータが得られた技術に関しては、生産現場の普及を市が後押ししていくという。
福岡市は昨年から、民間活力を生かした新技術の開拓に向け、「実証実験フルサポート事業」の取り組みを始め、キャッシュレスの導入推進などで大きな話題を集めた。補助金などの資金面の支援策を設けていない一方、市の資産を活用した実証フィールドの提供や企業間のマッチングなどで民間活力を喚起している。

2019年9月10日発行