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イフジ産業
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藤井 徳夫
イフジ産業㈱ 社長
ふじい・とくお/1941年2月13日生まれの67歳。中国、天津生まれ。九州大学法学部卒業直前に父親が急死、卒業後は家業の養鶏場を継承する。養鶏場から液卵加工業への転換を進め1972年10月に同社を設立、以降積極的なM&Aなどにより全国展開を推進する。2001年にはジャスダック市場(現ジャスダック証券取引所)に株式上場。趣味は読書
(写真)藤井徳夫社長をはさんで、仁田坂功常務(左)と藤井宗徳常務。これに池田賢次郎常務を加えたメンバーで新体制がスタートした
原点回帰で独立系最大手の使命を全う
今年度から3人の常務が揃い、新体制がスタートしたイフジ産業㈱。それぞれの役割分担を明確化し、不透明感を増す経営環境のなかで、藤井社長の舵取りを補佐する体制を整えた。
その経営環境は一段と厳しさを増している。特に鶏卵の買付け環境は大手の価格改定やえ付け羽数の減少に伴う生産量減少が懸念され、同社も今夏から価格改定に踏み切った。「得意先には迷惑をかけるが、生産農家を守るためにも仕方がない。安全な卵を安定供給するために理解してほしい」と訴える。中国産乾燥輸入卵のメラニン混入も明らかになり、安全な国産卵の供給体制がより重要性を増したといえよう。 一方、今春から本社工場と関西工場では卵殻の再利用プラントが稼動した。学校のグランドなどに使う白線ライン用消石灰の代用品としてリサイクルするもので、廃棄コストを従来の4分の1程度に削減できる上、厄介者だった卵殻が環境保全に一役買っている。
生産面では、関東工場の増床を計画。生産能力は従来の倍近くになる見込みで、首都圏の需要増に応える体制強化を図る。将来に向けた布石を打つ一方で、「今こそ経営理念の“浮利を追わず”の原点に戻る時。より安全で安心な商品を安定的に供給する使命を全うする」と同社長。独立系最大手として強い使命感を感じさせる。
DATA
〔所在地〕〒811-2312 粕屋郡粕屋町大字戸原200-1
〔TEL〕092-938-4561
〔設立〕1972(昭和47)年10月
〔資本金〕4億5,585万円
〔事業内容〕液卵及び卵加工食品の製造・販売
〔従業員〕93人
〔売上高〕93億7,224万円(08年3月期)
〔工場〕本社、茨城県水戸市、愛知県安城市、京都府綴喜郡井手町
(ふくおか経済2008年11月号FACE)