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博多駅前1丁目に13階建てオフィスビル  九州勧業


20年春完成

地場大手不動産会社の九州勧業㈱(福岡市博多区店屋町、太田禎郎社長)は2020年春の完成を目指し、同区博多駅前1丁目でオフィスビルの建設を進めている。
ビル名は「(仮称)九勧博多駅前1丁目ビル」。場所は通称、承天寺通り沿い。もともと同社が運営していた平置き駐車場に建設する。敷地面積は2414㎡、地上13階、地下2階建てで延べ床面積は2万548㎡。同社にとって14年ぶりの大型オフィスビル開発で、初の機能更新型オフィスビルとなる。
建設中の同所周辺は、福岡市が整備を進める博多の歴史、文化や、博多祇園山笠、博多織発祥の承天寺などといった伝統的寺院が連なる「博多旧市街地」を結ぶ場所に位置し、歴史文化ゾーンのアプローチにつながる。そのため、同社がビル建設に当たって容積率を500%から680%にまで引き上げることを条件に、周辺歩道の壁面緑化や石畳整備を手掛け、お土産店などの物販、飲食店など4店舗を誘致しにぎわいを生みだす回廊をつくり上げる。また、約330㎡ある吹き抜けの空間「エントランスピロティ」を設け、地元地域で開かれるイベントに貸し出しできるようにする。
そのほか1階はBCP対策の拠点として、エントランスロビー部分を帰宅困難者の避難場所として提供し、60人72時間分の水や食料、非常用自社発電機などを保管する備蓄倉庫を設置する。2階より上層階は1フロア約1000㎡で8分割まで対応可能とし、賃料は坪単価2万1000円に設定。地下は自走式駐車場になるという。また、スマートビルとしての機能も搭載しており、環境配慮のために高効率な空調を導入にしたことで、入居企業は電気代を中心に2、3割程度ランニングコストの削減を実現。加えて「BELS(ベルス)」という建築物省エネルギー性能表示制度において最高の5つ星認証を県内の賃貸オフィスビルで初めて取得しているという。
太田社長は「地域貢献の意味も込めて地元の方々からご理解をいただきプロジェクトを始動することになった。周辺の歴史建造物などと景観が合う外観にするため、障子をイメージした格子状の外装を取り入れる」と話している。

2019年2月26日発行