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ふくおか経済EX 2018

(株)玉屋


業界新時代に適応した強い企業を

新年度がスタートした1月、「SASUGA玉屋プラン」から「SASUGA玉屋アクションプラン」へと中・長期経営計画(2018~23年)を変更した。その背景にあるのは遊技機の規則改正など業界を取り巻く環境の変化だ。まずはスピーディーにアクションを起こしていくことで新時代への適応を着実に進めていく。

戦略的な営業、人事管理に独自のデータベース活用

2月に遊技機の規則改正が施行されるなど、今後大きく変化する経営環境に対応すべく、今回の中・長期計画は文字通り「行動重視」のプランへと改訂した。特に19年までの2年間を業界新時代への「適応ステージ」と位置付け、戦略的な事業目標を達成する組織改正に加え、昇任した加持豊専務、山口智也常務執行役員をはじめとする新たな人事体制のもと、業界での生き残りをかけた施策・戦術を柔軟、かつスピーディーに実行していく。
今回の規則改正では「出玉の上限が現行の約2/3に引き下げられる」ことなどから、遊技人口への影響が懸念されている。それを見据え低射幸時代に適合した営業戦略をベースに、既存17店舗については、独自に収集したデータベースをマーケティングに活用し、市場やニーズに応じたリニューアルにつなげることで、集客力、収益性を高めていく。
また人財面では、社員の将来像を明確に描けるキャリアアッププランを発動させるとともに、階層別研修の充実や外部研修機関による幹部教育などに力をいれていく。特に社員教育の柱として期待しているのが、新たに導入したクラウド型の人材管理システムだ。属性や勤務年数などデータベース化された細かな情報は、人材育成や人事配置、人事評価にとどまらず、日頃のコミュニケーションや採用活動ツールとしても活用の幅を広げていく。
そして今期から営業、人財と並び、重点的に取り組む戦略体系に加わったのが体質改善だ。ここでは働き方改革初年度として年間休日の増加や管理職・役職の拘束時間の削減、省エネ設備導入によるコスト低減改革に努めるほか、女性役職者の育成、育児と仕事の両立の支援など、女性社員が活躍できる職場環境作りも社内プロジェクト「はぴたすウーマン」を中心に進めていく計画だ。

自販機の売上の一部を地域貢献活動に役立てるイエローマシンプロジェクト。初年度は春吉校区の監視カメラの設置費用などに充てられた

マスコット「たまピー」、ゆるきゃらG登録へ

今や玉屋本店とともに同社のブランディングで欠かせない存在となっているのがマスコットの「たまピー」である。
看板や各種イベントでの露出に加え、2017年には玉屋全店舗で、たまピーでフルラッピングされた寄付型自動販売機を設置。イエローマシンプロジェクトと銘打ち、売り上げの一部を地域貢献に役立てる活動をスタートしており、初年度は玉屋本店のある春吉地区へ防犯カメラ4台、青パトの部品施工費用として約215万円を寄贈した。今後も同プロジェクトをはじめさまざまな社会貢献活動で活用していくほか、今年は「ゆるキャラグランプリ2018」にも初エントリー。上位順位を目指し、さらなる知名度アップを図る。
「規則改正に伴う3年間の経過措置はあるものの、当社は2年で適応できる体質を築く。常に時代の変化を先取りしながら対策を講じ厳しい時代を生き抜きたい」と山喜多映一社長は気を引き締める。プラン最終年度となる2023年の創業70周年に向けて新たな基盤づくりに取り組む玉屋。経営理念である「クリーンで強いアワーカンパニー」の実現を手繰り寄せているのも確かだ。

山喜多社長(左)と加持専務。中央のマスコット「たまピー」は企業のブランディング戦略に欠かせない存在だ

 

【DATA】
所在地/〒810-0003 福岡市中央区春吉3-12-1
TEL/092-718-3330
FAX/092-718-3331
創業/1953年8月
設立/1991年2月
資本金/3,000万円
事業内容/パチンコ店の経営
年商/445億円(17年12月期)
代表者/山喜多映一
従業員/500人
店舗数/福岡、佐賀県内に17店舗
URL/http://www.tamaya.gr.jp

【採用情報】
募集職種/店舗運営スタッフ(幹部候補生)
応募資格/大学卒業見込者、大卒既卒者(卒業5年以内)、専門、高校卒
問合せ先/TEL.0120-555-692(採用専用ダイヤル)
担  当/正山、橋野
詳しい採用情報はHP上の採用情報をご覧ください

(ふくおか経済EX2018年)