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(株)サニックス
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太陽光発電は自家消費時代へ蓄電システムをラインナップ
「環境とエネルギーのサニックス」を旗印に、次世代へとつなぐ快適環境づくりに取り組む。販売チャネル拡大に向けた業務提携、太陽光発電の事業用地斡旋に向けた宅建業の認可取得等、社会のニーズに応えるための体制整備を図りつつ、次なるステージをにらむ。
中期経営計画の最終年度さらなる成長の年に
同社は、「中期経営計画」に則り、過去2年にわたって、太陽光発電事業、環境衛生事業、産業廃棄物のリサイクル事業の3事業を、バランスよく成長させるべく、事業基盤を強化してきた。当計画は、太陽光発電事業一極集中からの修正を図るものではあるが、太陽光発電の普及拡大を図るという当初の志は、今もなんら変わることはない。
この2018年度は、中期経営計画の最終年度にあたる。太陽光発電市場は新たな局面を迎えており、同社は、ニーズの変化に対応し、商品構成を整えて市場開拓に臨む。
住宅用太陽光発電は今、「売電」から「自家消費」へ
同社が本格的に太陽光発電の販売に参入したのは、2009年、国を挙げて住宅用太陽光発電の普及を図ろうと、買取制度等が拡充された時期である。太陽光発電の余剰電力(自家消費できずに残った電力)は、設置から10年間、固定価格で電力会社に買い取られる。当初、買取価格は電気代のおよそ倍と割高で、太陽光発電の普及を大きく後押しした。以降、買取価格は年々引き下げられ、今では電気料金の上昇と相まって、電気代を下回る地域(電力会社)も出てきている。
また、来年2019年には買取制度開始から10年を迎え、初年度に設置された太陽光発電は、制度で約束された買取期間が終了する。制度終了後の買取価格について詳細は未定だが、電気代より格安になる可能性が高いという。
このような状況にあって、太陽光発電の電気は、「売る」より「使う」、つまり、「自家消費型」への転換が進むと見られている。そこで活躍の場が広がるのが、「蓄電池」である。
時代のニーズに対応し、「蓄電システム」を品揃え
同社では、経済産業省の実証事業に参画するなど、昨年度より、住宅用蓄電池の販売を開始しているが、今年度はさらに注力する予定だ。新たに太陽光発電を導入する消費者に、蓄電システムをセットで提供する他、既に太陽光発電を導入している需要家に対して、蓄電システムの導入を提案する。
蓄電システムは、既設の太陽光発電の一部機器を入れ替えて導入するタイプ、既設の太陽光発電はそのままで追加設置できるタイプ等を取り揃え、販売、設置する。
また、太陽光で発電した電気を貯めて使うだけでなく、夜間電力を蓄電して別の時間帯に使用することで電気代削減を図る、災害時等の非常時に備えて蓄電するなど、「お客様のニーズやライフスタイルによって、機能の使い分けが可能」という。
「いいものをより安く」で普及拡大を図る
同社は、太陽光発電システム発売当初から、その普及のためには、リーズナブルであることが重要と、価格設定にはこだわってきた。「今後も、多くの方に受け入れられる品質、価格帯で提供していきたい」と宗政社長は語る。
太陽光発電では、「いいものをより安く」提供するために、海外からの調達、自社工場設置による製造から販売・施工までの一貫体制確立と、新たな分野を切り開いてきた同社。蓄電池についても、研究開発で培ってきた社内知見と、エンドユーザーとの豊富な接点を強みに、メーカーとの情報共有を図りながら、よりよい商品を世に送り出していく構えだ。
宗政 寛 社長 むねまさ・ひろし/長崎県佐世保市出身。1975年7月17日生まれの42歳。東海大学卒業。2003年1月㈱サニックス入社。2017年1月代表取締役社長に就任 |
【DATA】
所在地/〒812-0013 福岡市博多区博多駅東2-1-23
TEL/092-436-8870
FAX/092-436-8871
創業/1975年4月
設立/1978年9月
資本金/140億4,183万円
事業内容/環境資源・エネルギー事業
年商/509億5,500万円(17年3月期連結)
従業員/1,742人(17年9月末現在)
出先/SE(ソーラーエンジニアリング)部門4地区本部38拠点、HS(一般住宅向け)部門3地区本部41拠点、ES(法人・事業主向け)部門4拠点、産業廃棄物処理・リサイクル部門15工場
関連会社/㈱サニックスエナジー、㈱北海道サニックス環境、㈱C&R、善日(上海)能源科技有限公司、㈱SEウイングズ、㈱サンエイム、㈱サニックス・ソフトウェア・デザイン、㈱エネルギー総合開発研究所
URL/http://sanix.jp
(ふくおか経済EX2018年)