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(株)ウエスト
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広がるウエストブランドあらゆる業態にチャレンジ
焼き肉、うどんで築いた強力ブランドを生かし、あらゆる業態開発にチャレンジする㈱ウエスト。従来画一の運営手法を見直し、地域性に応じた店づくりを進めるとともに、海外展開も加速。「皆が集えるような店づくり」をコンセプトに国内外で食の魅力を発信していく。
佐賀に「焼肉 AZUMA」2号
2017年12月、佐賀県伊万里市松島町に「焼肉 AZUMA(あずま)」を出店した。福岡市東区香椎浜に同業態を初出店して2年半、2号店目となった。既存の「焼肉ウエスト」で築き上げてきたブランドイメージを一新し、メニューはワンランク上の国産黒毛和牛の特選赤身肉や熟成肉をメーンに展開。サイドメニューやワインも充実させ、店舗もあらゆるシーンに備えた個室を用意し、新たな需要を取り込む。若山和夫社長は「牛肉自体の輸入原価が上がっているため、これまでのブランドコンセプトを維持すると、肉本来の旨味、美味しさが伝わりにくくなっている。それならば、思い切って別業態で、高級感を演出した店構えにし、上質な肉を提供したい」と、これまで取り組んできた、焼き肉店のコンセプトから一線を画す店舗として、ブランドをすみ分け、焼き肉の新ブランドとして存在感を高める。
AZUMAで提供する国産黒毛和牛
あらゆるシーンに応じた空間に
ただ、ウエストブランドとして浸透してきた既存店「焼肉ウエスト」の展開を緩めるわけではない。
この数年は同業態の店舗リニューアルを強化。特に、出店地の地域性、顧客ニーズに合わせた客室、空間づくりにこだわり、ファミリー層向けにはテレビ付き個室を拡充し、「おひとりさま」に対応したプライベート空間まで充実させている。昨年だけでも本社敷地内にある麦野店、飯塚店、大津バイパス店(熊本)、天神店、福間店など大型焼き肉店を中心に店舗改装を完了させ、今年3月には志免店もリニューアルオープンした。
これと並行して「うどんウエスト」のメニュー構成も地域性に応じて変えていき、近年関東地区で出店を強化している生そば、夜の居酒屋メニューを同業態に盛り込むなど、バラエティー豊かなメニュー構成で、“うまい”“安い”“早い”の商品力を売りにブランドを確固たるものにする。
その一環でオフィス街にある天神明治通り店は、店舗自体の雰囲気を一新し、「立ち喰いそば酒場すじ一(すじいち)」に業態変更した。昼は生そば、夕方から居酒屋メニューとなり、同社初の券売機を導入。食器返却口を設置したフードコートのようなスタイルで気軽に立ち寄れる雰囲気をつくるとともに、オペレーションの簡略化を実現したことで、今後は、フードコートやインショップの展開も見据えた新業態にも積極的に挑戦していく。
タイ・バンコクに積極出店、新たな進出国も模索
海外展開も意欲的だ。人口800万人を超えるメガシティ、タイの首都バンコクに15年12月に進出して以来、生そば4店、焼き肉店1店を「あずま」の屋号で出店している。さらに2017年12月には、これまでのテイストを変えた新業態「とんかつ&Egg Bowlあずま」を出店。丼モノを「エッグボウル」と表現したユニークな屋号だが、提供するのは本格的なとんかつと丼モノを中心とした日本食で、同エリアに業態の異なる6店舗を構えた。「周辺エリアに集中して店を置くことで、マネジメントリスクを軽減し、タイ独自の市場環境に基づいた商品開発、食材調達、スタッフの雇用を自社内で実現している」と若山社長。同エリアでさらなる新業態の開発を進めるとともに、新たな進出国も模索し、人々が自然と集うユニークで面白い店づくりで日本の食文化、食の魅力を世界中に広めていく決意だ。
若山 和夫 社長 わかやま・かずお/千葉県銚子市出身、1948年5月16日生まれの69歳、YMCAホテル専門学校卒 |
【DATA】
所在地/〒812-0887 福岡市博多区三筑1-5-8
TEL/092-582-3911
FAX/092-574-0699
設立/1966年3月
資本金/9,790万円
事業内容/飲食店の経営
年商/154億円(17年2月期)
従業員/2,200人(パート、アルバイト含む)
関連会社/㈱西文、㈲河津ウエスト
URL/https://www.shop-west.jp/
【採用情報】
募集職種/店舗営業
応募資格/大卒、高卒
採用予定/新卒20人
問合せ先/TEL.092-582-3911
担 当/人事部
(ふくおか経済EX2018年)