ゼオライト（株）

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好調な関東市場背景に新市場の開拓も着々と

災害対策を追い風に首都圏を中心とした浄水プラントの設置需要が増加している。今後は高い技術力を駆使したメンテナンス部門の強化や海外展開を含む新市場の開拓に力を入れ、新たな収益基盤の確立を目指すとともに、社内システムのIT化や人材確保・育成を通じ対応力のアップも進めていく。

コスト削減や水質改善、排水再利用など水に関するあらゆるソリューションを展開する中、近年はプラント設置工事やメンテナンスにおける首都圏や関西圏での受注が好調だ。
需要増の背景として挙げられるのが災害対策である。特に東京では2013年施行の「帰宅困難者対策条例」で大規模災害発生時に備えた一定量の水の備蓄が定められ、保管スペースの確保が難しい大規模ビルにおいて浄水設備の設置需要が増加。すでに都内の再開発に伴う複数の大型ビルで地下水浄水処理プラントの建設を受注しているほか、同じく受水槽の保有が義務付けられる「災害拠点病院」を中心とした大規模病院でも、停電時に安定的に水を供給できる井戸設備への関心が高まっており、首都圏を中心に病院向け創水プラントの納入実績を大きく伸ばしている。

2017年8月から小型浄水器のレンタル事業を開始。個人宅や小規模事業者を対象とした地元密着の展開で需要を伸ばしている	需要増に伴い大幅に拡張したプラント設計部

得意のメンテナンス部門をブラッシュアップ

「災害対策需要に加え、東京五輪前の新築ラッシュなどが需要を後押ししている部分もある。この反動減は当然予想されるだけに、そこを見据えた対策は不可欠」と気を引き締める嶋村社長。その一環として取り組むのが、収益性の高いメンテナンス部門の強化で、将来的には現在の売上構成比率の60%から80%まで高めたい意向だ。同分野では設備更新時期に合わせ、他社からの切り替えも多く、最近では以前に雑用水の浄水処理用途で同社のプラントを導入した顧客が、設備更新時に飲料用をはじめ施設で使用する全ての水を供給できるようプラント設備の増強を依頼するケースも増加。高い技術力を強みに、日頃のきめ細かなメンテナンス業務を通して新需要の掘り起こしにつなげているのだ。

新技術の開発、海外展開含む新市場の開拓にも期待

新事業としては2017年8月から浄水器のレンタル事業をスタート。中・小規模事業者や個人宅といった小口需要を中心に着実に新規顧客を開拓している。また新技術については、プラント設置と同様にさく井工事を必要とする地中熱ヒートポンプを活用した空調技術と連携し、新たな水の供給システムの開発を検討しているほか、海外展開についても18年2月開催の水ソリューションに関する国際商談会に、海外拠点を持つ国内の大手メーカーらと共同出展し自社製品を大々的にPR。すでにプラント部材の一部をアジアから調達し関係強化にも努めるなど、今後の海外展開に向けた布石も打つ。

事業拡大で強化する社内システムのIT化と採用活動

事業領域の拡大で収益力のアップを図る中、それに備えた対応力の強化は不可欠だ。2017年末には取引案件の増大で手狭になっていた設計室を拡張したほか、メンテナンス業務や購買業務における社内システムのIT化も順次実施しており、高効率な社内環境の整備を進めている。
中でも力を入れていくのが採用活動で、今後は東京支店を中心に新卒・中途合わせて、年間10人規模の増員を計画している。その一方で既存社員についても、技術を継承する教育はもちろん、勤務体系の見直し、福利厚生の充実など働き方改革にも着手しながら体質改善を推進する。まさに企業理念である「良い水創り、人財づくり」の実践で、限られた資源の安定供給を実現し社会の未来に貢献していく。

左から嶋村謙志社長、河村恭輔名誉会長、河村勝美会長

【ＤＡＴＡ】
所在地／〒812-0893 福岡市博多区那珂5-1-11
ＴＥＬ／092-441-0793
ＦＡＸ／092-441-0796
創業／1969年11月
設立／1970年8月
資本金／9,000万円
事業内容／水処理プラントの企画・設計・製造とメンテナンス、ROミネラルウォーターの宅配、家庭用、業務用浄水器製造販売
年商／31億3,400万円（17年7月期）
従業員／103人
出先／（支店）東京、大阪、名古屋、（営業所）東関東、岡山、熊本、大分、長崎、北九州、宮崎
関連会社／㈱アクアゼオライト
ＵＲＬ／http://www.zeolite.co.jp

【採用情報】
募集職種／営業系、技術系、メンテナンス系
応募資格／2019年大学・大学院卒業予定
詳しい採用情報はHP上の採用サイトをご覧ください

（ふくおか経済EX2018年）