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フクオカグロースネクストをリニューアル  福岡市など


独自の起業プログラムやファンドを用意

福岡市(高島宗一郎市長)や、福岡地所㈱(福岡市博多区住吉1丁目、榎本一郎社長)などの民間3社は来年5月31日、官民共働型の創業支援拠点「フクオカグロースネクスト」(同市中央区大名2丁目)をリニューアルオープンする。
来年3月で昨年4月からの1期目が終了となり、現在入居する企業などは1月末までに全て立ち退き、その後建物内の改修工事に入る。2期目の運営は福岡市、福岡地所のほか、インターネットインフラサービスなどを手掛けるさくらインターネット㈱(大阪市、田中邦裕社長)と、ホスティングサービス事業などを手掛けるGMOペパボ㈱(東京都渋谷区、佐藤健太郎社長)。期間は2024年3月までの5年間で、入居には新たに申請が必要。11月29日から1月11日まで個室部分(24部屋)の予約を受け付け、コワーキング固定席などは来年2月以降受け付ける。賃料は1㎡あたり2000円。募集対象は、福岡市内に本拠点を置くスタートアップ企業、創業予定および第二の創業者。2期目は前期より30社多い200社の契約を見込んでいる。
リニューアル後の名称は変更しない方針。建物は東校舎部分が工事で解体され、現在の南校舎部分のみを全面改修する。1階部分はコワーキング固定席やフリー席、入居者間の交流を促進するラウンジなどになり、2階が個室。創業相談窓口・スタートアップカフェと、バーのawabarも継続予定。
リニューアルオープン後は、グローバル社会で活躍するスタートアップの輩出を目指して、世界的ベンチャーキャピタル「プラグ・アンド・プレイ」など有名なアクセラレーターを招へいし、連携起業支援プログラムを提供。起業の初期段階の人を対象に最低500万円から最大1億円を支援する常駐の投資ファンドを福岡地所と、さくらインターネットの小笠原治フェローが運営する㈱ABBALabが主体となって運営。会社設立準備段階で起業の意志がある人向けに事業計画の立案や資金調達など、スタートアップ企業に必要な知識などを身に付ける伴走型(ハンズオン)育成プログラムを実施。GMOペパボや、さくらインターネットが中心となってエンジニア支援育成プログラムを提供し、基礎から専門領域まで学べる講座や、子供向けの教室などを実施する。
高島市長は会見で「これまでフクオカグロースネクストに来れば成長が加速する化学反応が起きる場所だった。これからもそんな場所であって欲しい。グロースネクストの本質は、福岡がリスクをとってチャレンジをする人が尊敬される街になること。そのような社会、日本にするため、まずは福岡から機運を作り、チャレンジャースピリッツを持った人を増やしたい」と語っている。榎本一郎福岡地所社長も「時価総額1000億円のユニコーン企業を1社生み出すよりも、ここでは時価総額10億円の企業100社生み出すことを目指す」と話している。
グロースネクストでは17年4月から18年10月末までに24社が71億の資金調達を実施。マッチング実績は約3万件で、雇用実績139人。

2018年12月18日発行