㈱キャリアバンク

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人材マネジメントサポートで生産性と品質の向上を

人材派遣業・㈱キャリアバンクの堀田幸彦社長は、厳しい市況で生き残りをかける企業に対し、人材マネジメントを含めた経営体質の向上を訴える。「ビジネスが前進しない冬の時期にこそ、商品やサービス、業務効率、コスト、経営体制などさまざまな角度から見直しを図ることができる。訪れる春に好スタートを切る準備期間として、健全経営に立ち直るチャンスだ」。
内需縮小で経済戦争が激しくなると同時に、労働者の就職率も低下。求職者の競争も激化しており「必要とされる人材になるよう、努力が必要だ」と登録スタッフのスキルアップなど人材育成事業にも力を注ぐ。
「不況の中、企業が求めているのは、さまざまな職場を経験し、現場を活性化できる人材だ。特に、長年同じ職場でひとつの仕事を貫いた技術者は、さまざまな職場を経験して柔軟性と広い視野を培ってほしい」と登録スタッフには、定期的に派遣先を転換し、多くの業務を学ばせるとともに、コミュニケーション能力を育成している。派遣先企業にとっても、新しい人材が投入されることで現場が活性化し、従業員全体のスキルアップや業務効率向上につながるという。

「私たちが人材マネジメントをサポートします」と意気込む従業員たち

中国進出企業に信頼できる優秀な人材を

昨年6月、㈶九州大学学術研究都市推進機構「OPACK」の「自動車ユニット部品設計開発人材育成事業」を受託した。「北部九州自動車150万台構想」を受けて、「アジアの一大生産拠点となるには、製造下請けに頼らず、地場企業の設計開発力を高めなければいけない」と同社が提案した人材育成事業だ。3次元CADソフト「CATIA」を学びながら、トヨタグループ工場で実際にエンジン解体・組立を経験させる、即戦力人材の育成プログラムは好評で、申し込み人数が定員を上回るほど注目を集めた。
また一昨年、「日本と世界の人材をつなぐ橋渡し役に」と中国大連市に現地法人「大連科力亜人力資源有限公司」を設立した。中国のめまぐるしい経済成長の中で、同市に進出する日系企業に中国人人材を派遣している。
これまで中国の優秀な人材は、日本での就業を希望する人が多かったが「今では急成長する中国国内での就職希望者が増えている」と分析。特に優秀な技術者は不足し始めており、中国を開発・製造拠点とする日系企業のため、スキルと人間力のある優良人材の確保に奔走している。
「日々新に、日々変革」を理念に掲げ、企業の業務効率向上とコスト削減をサポート、時代が求める生産性の高い人材の供給に力を入れてきた。
「本来、その企業にはどんな人材が必要なのか、一人当たりの生産性を向上するにはどのようにしたらいいのかを経営者とともに真剣に考えている」と胸を張る。求められた人数を集めて派遣するのではなく、経営者の立場に立ち、ともに企業成長を願ってコンサルティングする姿勢が、地場大手IT・テレマーケティング、医療業界を中心に絶大なる信頼を寄せられてきた理由だ。「今こそ、従来の体質を見直すいい時期。経営者とともに、企業の生産性と品質の向上をサポートしていく」と意気込む同社は、冬の時代を乗り切る地場企業の強い味方となる。

堀田 幸彦 社長 ほった・ゆきひこ／福岡市中央区出身、1942年12月16日生まれの67歳、修猷館高校、慶應義塾大学商学部卒。株式会社ベルシステム24九州支店長を務めるなど、株式会社キャリアバンクを設立するまでに多くの職場を経験し、ビジネスセンスを磨いた。福岡南ライオンズクラブ会長など多くの公務を務め、地場経済や業界の発展に貢献している。趣味は読書、ゴルフ、麻雀

企業DATA
所在地　〒814-0001 福岡市早良区百道浜2-1-22 福岡SRPセンタービル6階
ＴＥＬ　092-846-8080
ＦＡＸ　092-846-8085
設立　1998年7月
資本金　1000万円
事業内容　労働者派遣事業、職業紹介事業、情報通信サービス事業の請負
年商　18億円（09年8月期）
代表者　堀田幸彦
従業員　60人
出先　東京本社、大阪支社、 北九州支社、鹿児島営業所
ＵＲＬ　http://www.c-bank.co.jp

（ふくおか経済EX2010年）