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㈱オートウェイ
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「世界のタイヤを日本へ」
直輸入で高いコストパフォーマンスを実現
(写真)九州自動車道「太宰府IC」沿いの「AUTOWAY福岡店」
太宰府市にタイヤ輸入販売の直営店
九州自動車道の太宰府IC沿いに青い大きな看板がそびえ立つ。「世界のタイヤを日本へ」、「高品質・低価格販売」と、一際目立つ位置に、高々と掲げた看板は、通りがかりの人々の目を引く存在だ。
同所は、輸入タイヤ販売の㈱オートウェイが展開する直営店舗「AUTOWAY福岡店」。アジアを中心に世界各国の厳選された高性能タイヤを豊富にラインナップして低価格で提供している。敷地面積1650㎡、4階建てで延床面積1630㎡。1階が輸入タイヤ販売店舗、2階が事務所、別棟2、3、4階がタイヤ保管庫で、4階に大きな看板を掲げる。常時1万本のタイヤを取り揃え、最低価格は、軽自動車専用タイヤで2000円から販売。客単価は2万5000円前後と、圧倒的な安さで支持を受けている。オープン(09年3月)から1年で、同店舗のタイヤ総販売数は1万本を突破。知名度とともに商品力、販売力を上げている。「国内ではアジア製タイヤの認知度はまだ低いが、価格は国産タイヤの半額程度で、品質も国産と比べ遜色がない」(同社)と、安全性をアピールして全国に海外タイヤの存在感を高めている。
主力のネット販売は月間販売本数10万本を突破
特に、直販システムを構築して、流通の低コスト化、スピード対応を実現しているネット通信販売は、同社の業績を牽引する。
自社のオンラインショップ「AUTOWAYLOOP(オートウェイループ)」では、グッドイヤー、ミシュランなど欧米有名ブランドからナンカン(台湾)、ネクセン(韓国)などアジアブランドまで多種多様。また、5インチのゴーカート用タイヤから26インチのタイヤまで車種や用途に合わせて40ブランド以上を扱うほか、PB商品も展開して一部マニアに人気があるホワイトリボン・タイヤ(白い帯が側面に印刷されたタイヤ)など、一般の販売店では手に入りにくいタイヤを揃えて差別化を図っている。これがネット内で反響を呼んでおり、大手通販サイトも含め月間販売本数は10万本を超え、通販の売り上げは前期比4割増と好調に推移している。価格は市場価格の40〜70%水準まで引き下げており、自社サイトではさらに安価で提供するなど会員の獲得にも注力している。
自社倉庫には常時40万本のタイヤを保有する |
再生タイヤ製造販売からスタート
海外メーカーとの協力体制による独自の商品仕入れ、インターネット販売による直販システム構築、また商品発送における徹底した流通コストの削減で、低価格・高品質販売を実現する同社。海外メーカー自動車関連企業が集積する苅田町臨空産業団地の一角に、本社と広大な倉庫用地を構え、ここから多数の海外メーカータイヤを全国に販売している。
もともと、トラックの再生タイヤの製造販売業として設立した同社だが、国内の再生タイヤ市場の縮小や外国からの格安新品タイヤの流入を背景に、1995年に再生タイヤの販売を中止し製造設備一式を中国に売却。当時、欧米では低価格のセカンドブランド、プライベートブランドのタイヤが市販タイヤの半分を占めていたことから、日本でもこうした状況の到来を確信し、海外製新品タイヤの輸入販売にいち早く乗り出した。輸入元はアメリカ、ヨーロッパ、韓国、中国、台湾、インドネシアなどアジア諸国が中心。「100%海外からの輸入商品を扱い、新品タイヤ自体の安さに加え、経営全般にわたるスリム化によって低コストを実現している」と、国内タイヤメーカーとの取引がなく制限されないことが、輸入先の開拓につながっている。一歩先の需要を睨んで商品を仕入れ、自社倉庫には常時40万本のタイヤを保有。また、輸入先を複数にするなど仕入れリスクの分散にも留意している。
同社では、この春、名古屋市に4カ所目の倉庫を開設する。いずれは全国主要拠点に倉庫を開設する方針で、倉庫機能を生かした大量仕入・買い付けによるコストダウン実現を図る。
さらに、5月、熊本市に2号店目となる直営店「AUTOWAY熊本店」を出店。カー用品に対するユーザーのニーズや購入チャンネルが急速に多様化するなか、変化を的確に捉え、勢いを加速化する。「ハイクオリティ&ローコスト」。現代のニーズにマッチした快適なカーライフの実現をサポートする。
京都郡苅田町の本社兼倉庫(敷地面積1万3200㎡) |
企業DATA
所在地 〒800-0365 京都郡苅田町苅田松浦3787-62
TEL 093-436-4800
FAX 093-436-4700
設立 1969年
資本金 6900万円
事業内容 輸入タイヤ・ホイールの販売
代表者 岡本 隆
従業員 50人(パート含む)
URL http://www.autoway.co.jp
(ふくおか経済EX2010年)