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2期目最終年、「元気の良さ さらに伸ばす」 小川知事


県人口は約513万人で全国9位

福岡県の小川洋知事はこのほど、ふくおか経済インタビューに応じ、2期目の最終年を迎えている現状について、「災害に見舞われたものの、県民の努力によって、就任前に比べて福岡県は元気になった。この元気の良さを伸ばしていきたい」と語った。主なやり取りは次の通り。
―2期目最終年を迎えた現状について。
小川 知事就任から8年目を迎えた。災害に見舞われたものの、県民の皆さんの各分野の努力が実り、就任前に比べると元気になったと思う。この元気の良さをさらに伸ばしていくとともに、課題や問題を抱えている県民の皆さんに寄り添い、温かみのある行政を心がけていく。何よりも2年連続で起こった災害からの復旧・復興を急ぎたい。
―どのような点に元気を感じているか。
小川 人口減少社会を迎えている中、今年1月1日現在の県人口は約513万人。これは全国で9位、前年より人口が増加した7都県の一つになっている。経済も日本経済が緩やかな回復基調にある中、本県は全国に比べて、さらに先を進み、マクロ経済の各指標を見ると、緩やかに拡大している状況が続いている。知事就任前の有効求人倍率は1を割っていたが、8月の時点で1・61まで上昇している。就業者数も、足元の1年間で約4万6000人増加した。また、県内約7社に1社は、女性経営者が努め、その割合は全国2位となっている。
―地域経済活性化について。
小川 地方創生の基本は「誰もが住み慣れたところで、安心して子どもを産み育て、長く元気に暮らしていくことができる地域社会を作っていくこと」だ。その中で一番大事なのは「魅力ある雇用の場の創出」。そのための中小企業振興や地域の特性を生かした産業振興に取り組んでいる。
―観光関連では宿泊税が関心を集めている。
小川 観光はきわめてすそ野が広い分野。地域の特徴を生かした振興に取り組むことで、県内各地域に観光客を呼び込み、それぞれの地域に消費と雇用を生む。地方創生の観点からも重要だ。観光をもっと振興したいと考えている県内市町村は多いものの、一方で財政的に厳しい市町村がある。また、観光客は、一つの市町村に止まらず、行政の区域を越えて、県内を広く周遊するといった広域性を有していますので、観光振興の財源は県が確保すべきだと考えている。先般、県が行った市町村への意見照会では、大変多くの市町村が、県が新たに財源を確保することに賛成の意向だった。
―福岡市はすでに宿泊税の導入を決定している。
小川 宿泊税は他の自治体でも導入されており、観光振興財源の有力な選択肢と考えている。今後の県の「観光振興財源検討会議」では、宿泊税の導入を念頭に、その制度設計まで議論を深めていきたい。その上で、宿泊税の導入が決定した福岡市としっかり調整し、建設的な解決策を見出していきたい。
―県産農林水産物のブランド化に向けた取り組みについて。
小川 イチゴの「あまおう」は本格販売から15年となり、販売単価が14年連続日本一を達成するなど、高級イチゴといえば「あまおう」といわれるまでに高く評価されている。これに続くものとして、種がほとんどない甘柿「秋王」、大玉で糖度が高いキウイフルーツの「甘うぃ」、イチジクの「とよみつひめ」などの販売拡大を図っている。ここ5年連続で玉露日本一になった「八女茶」についても、いっそうのブランド力向上のため、今年度は、新たに移動茶室を活用した「プレミアム八女茶カフェ」を首都圏で開催するほか、ロゴマークも作成します。
―東京にはアンテナレストランをオープンする。
小川 首都圏で福岡県のさまざまな魅力を発信するため、以前「ふくおか会館」があった場所、半蔵門の新ビルに、11月21日、アンテナレストラン「福扇華(ふくおか)」をオープンさせる。博多和牛、トラフグや真鯛といった天然魚、旬の野菜などを使った日本料理など「福岡の食」を堪能していただきたい。内装には県産材、装飾には博多織や大川組子などで「福岡の匠の技」を体感していただくとともに、小石原焼や八女茶などの特産品も常時販売していく。

2018年11月6日発行