FEATURE

ふくおか経済EX 2011

㈱ヤマウ


プレキャスト化推進し新需要を創造

(写真)2010年7月には九州大学との共同開発で注目を集めた「斜角大型ボックスカルバート」の構造耐力公開試験を佐賀工場で実施

九州を代表するコンクリート二次製品メーカーの㈱ヤマウ。近年は建設投資の縮減とそれに伴う競争激化で厳しい経営環境が続くコンクリート業界だが、同社は「脱業界」をスローガンに、長年培った製造技術を生かしてあらゆるニーズに応じた新製品や新工法の開発、そしてそれらを複合的、かつトータルに提案している。
その核として注力しているのが、工法技術におけるプレキャスト化の推進だ。同工法は建設現場で型枠を設置し、打設して造る現場打ち工法ではなく、工場であらかじめコンクリート製品を製作した後、現場に運搬して設置するというもの。天候に左右されることなく常に高品質の製品が効率的に製造できる上、省力化が図れるのも特徴で、すでに道路や河川、農業、港湾、防災などあらゆる建造物で普及。昨年には九州大学と共同で、道路と道路(または水路)が斜角に交差する場合に用いる「斜角大型ボックスカルバート」を開発し大きな注目を集めるなど、今後も現場打ちが主流だった分野でのプレキャスト化をさらに進め、競争力強化を図る。
また近い将来には、この卓越した技術力を強みに、縮小傾向にある国内市場に留まらず、アジア全体を視野に入れた展開も構想。すでにインドネシアやベトナムではコンクリート製造に関する技術提供と人的支援に取り組むなど、その基盤づくりは着々と進む。

社員教育と社内環境の整備に注力

このように今後の成長戦略に期待が高まる一方で、ソフト面のさらなる充実も強化ポイントの一つ。中でも最も力を入れているのが社員教育と社内環境の整備だ。現在では社員一人ひとりの意識改革に主眼を置いた企業理念「ヤマウフィロソフィー」の共有を軸に、権藤勇夫社長の「社員が主役である」という観点のもと、社員が意欲的、かつ働きやすい職場環境づくりを推進。また各種セミナーへの参加や高度な専門資格の取得支援も積極的に行っており、社員の業務に対するモチベーションは非常に高くなっている。
“社員の成長こそ会社の飛躍の源泉”。この姿勢が随所に垣間見られる同社。これから描く経営ビジョンの達成に向け、さらに安定的な経営基盤を確立していくに違いない。

権藤 勇夫 (ごんどう・いさお)社長

 

企業DATA
所在地 〒811-1102 福岡市早良区東入部5-15-7
TEL 092-872-3301
FAX 092-872-3302
設立 1958年2月
資本金 8億円
事業内容 コンクリート2次製品の製造販売
年商 148億6000万円(2010年3月期連結)
代表者 権藤勇夫
従業員 240人
関連会社 大分フジ㈱、メック㈱、光洋システム機器ほか
URL http://www.yamau.co.jp/

採用情報
募集職種 総合職(製造・営業・技術)
採用予定 数名
問合せ先 人事総務部
担当 中野

(ふくおか経済EX2011年)