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TheFace2011

第一交通産業


田中 亮一郎

第一交通産業㈱ 社長

たなか・りょういちろう/東京都出身、1959年4月4日生まれの52歳、青山学院大学経済学部卒。82年4月全国朝日放送に入社。85年7月第一交通産業㈱非常勤取締役に。96年5月副社長を経て、97年2月から代表取締役副社長。2001年6月社長。2010年12月北九州商工会議所副会頭に就任。趣味はゴルフと中学時代から続けているテニス

次のステージ見据え確かな一歩

タクシー事業は震災の影響が続くものの、売上高は8月現在で前期比10%増と回復を見せる。京阪電鉄系列のタクシー子会社などのM&A効果もあるが、減車対策で取り組んできた稼働率向上の効果が現れている。
被災地では3人の乗務員が尊い命を失うなど深い傷跡を残したが、阪神大震災の教訓を生かした迅速な支援もあって5日後には業務をほぼ再開した。混乱が続く現地で第3の公共交通機関の使命を全うし、首都圏の交通マヒでも存在感を示した。また、北九州市では路線バスの廃止に伴う乗合タクシーの運行を決め、地域の足を守り抜く。
一方、JR福間駅前では総戸数131戸のマンション開発に乗り出した。単独では福岡都市圏で久しぶりの大型開発となり、ショッピングセンターと共同開発をする新たな手法も注目される。
中国では展示場、ゴルフ場運営の大連星海会展グループと提携。ゴルフツアーを通じて訪日観光客拡大を図る。また、錦州市の合板メーカーとも提携して合板製品を輸入。まず自社の住宅事業で型枠などに活用し経費削減を図る。「震災で中断した上海の健康・医療ツアーも形を変えて再興する見通し」と田中社長。確かな手応えを感じつつ次のステージを見据える。

DATA
所在地/〒802-8515 北九州市小倉北区馬借2-6-8
TEL/093-511-8811
創業/1960年6月
設立/1964年9月
資本金/20億2,755万円
事業内容/タクシー事業、バス事業、不動産分譲・賃貸、金融事業ほか
売上高/約741億円(11年3月期連結)
グループ従業員/約15,000人(臨時従業員数含む)
関連会社/那覇バス㈱、㈱琉球バス交通、㈱第一ゼネラルサービスなど124社

http://www.daiichi-koutsu.co.jp

(ふくおか経済2011年11月号FACE)