FEATURE

ふくおか経済EX 2012

㈱ジャパンシーフーズ


鮮魚市場を創造し2015年度で売上50億円へ

全国の量販店に新鮮な鮮魚加工食品を提供する㈱ジャパンシーフーズ。「美味しい生魚を食卓に届けたい」という熱い信念のもと、徹底した衛生管理と、自社開発商品への研究に全力を注ぐ。「従業員が夢を描く企業でありたい」と2015年度で売上50億円を目指している。

(写真)湯を注ぐと、フィッシュゼラチン出汁が溶け、新鮮な生魚が現れる贅沢茶漬(ごまあじ茶漬)

海鮮贅沢茶漬が2年連続で全水連加工会長賞を受賞

全国に新鮮で美味しい魚を届けるため、鮮魚加工一筋に研究開発を重ね、昨年9月に創業25周年を迎えた㈱ジャパンシーフーズ。
その甲斐あって、自社開発商品・海鮮贅沢茶漬シリーズの“ごまあじ茶漬”が2010年に全国水産加工品総合品質審査会から、全水加工連会長賞を受賞した。翌年、引き続き“鯛茶漬”も同賞を受賞。全国から取材の依頼や注文が殺到し、話題を呼んでいる。
従来の茶漬けの素との違いについて、井上社長は「新鮮な生魚が入っていること。また出汁をフィッシュゼラチンで固めていることも、美味しさの秘訣」と説明する。生魚を出汁に漬け込むのではなく「魚から抽出したフィッシュゼラチンで出汁を固めて生魚を覆っているため、鮮度劣化と味の変化から守ることができ、魚の美味しさがそのまま楽しめる」と胸を張る。
湯を注ぐとフィッシュゼラチン出汁が溶け、中から新鮮な生魚が現れる贅沢茶漬は、“ごまあじ茶漬”“鯛茶漬”のほかにも、“真さばごま茶漬”“うなぎ茶漬”“いか明太茶漬”と種類も豊富。手軽に普段の食卓に並べられるほか、海鮮贅沢茶漬セットは好みの組み合わせを選ぶことができ、贈答用にも大変人気だ。

全国水産加工品総合品質審査会の授賞式にて。左から鈴木たね子審査員長、同社食品研究室の鬼塚千波里さん、井上郁子同社専務、中山嘉昭全水加工連会長(右) 海鮮贅沢茶漬セット(ごまあじ茶漬 300円、鯛茶漬 450円、真さばごま茶漬 300円、うなぎ茶漬350円、いか明太茶漬 350円)

生サバの受注拡大で2012年度売上高20%増見込む

主力の量販店向けアジ・サバ加工事業では、製造ラインの増設や先端機器の導入、浄化槽の設置など積極的な先行投資を行っている。供給体制が整った今年度は“収穫の年”と位置付け、売上高30億円で前期比20%増を見込んでいる。創業から25年、右肩上がりで増収増益し続けてきた同社。2015年度で売上高50億円、将来いの100億円企業を目指す中長期計画の実現に向け、市場開拓に全力で取り組んでいる。
その要となっているのが、生サバ。取り扱いが難しく、スーパーも慎重な姿勢をみせていた生サバだが、同社はアニサキスという生サバに付着しやすい寄生虫を完全に除去する技術を開発した。「研究データに基づいて提案すれば、確実に需要は拡大する」との分析が的中し、全国のスーパーから受注が拡大している。
同社は鮮魚を加工後、すぐに真空パックし冷蔵状態でその日のうちに全国に発送する。特に、新鮮な生サバが手に入りにくい関東以東での需要を掘り起こしている。
現在、東日本エリアを管轄する関東営業所が全体の売り上げの60%を占めるほど成長している。よりきめ細やかなサポート体制と、さらなるエリア拡大を図るため、来年度中に仙台営業所の開設も計画。生サバの受注拡大に伴い、主力の生アジの売り上げも増加しており「従業員が将来に夢を持てるよう、市場の創造を進め、企業規模の拡大に力を注ぐ」と日本一の鮮魚加工業を目指す同社の挑戦は続く。

井上 幸一 社長
いのうえ・こういち/福岡市出身、1948年8月19日生まれの63歳。福岡大学法学部を卒業後、父親が経営する鮮魚小売業㈱天龍に入社。77年に同社百貨店内店舗店長を務め、女性の社会進出に伴う鮮魚加工食品の必要性を確信し87年に同社を創業。趣味は読書とゴルフ

 

企業DATA
所在地 〒811-1302 福岡市南区井尻5-20-29
TEL 092-593-7662
FAX 092-593-7663
URL http://www.jp-seafoods.jp
創業 1987年9月
設立 1987年7月
資本金 5,000万円
事業内容 生食用アジ、サバ、シメサバ加工卸、茶漬けの素各種
年商 25億円(11年8月期)
従業員 150人
出先 (工場)福岡市東区箱崎ふ頭5-9-29(食品研究室)同区社領1-11-9(営業所)関東、名古屋、大阪、福岡

採用情報
募集職種 営業・製造・研究・事務
応募資格 大学卒・大学院卒・高校卒
採用実績 11年度5人 12年度6人
採用予定 13年度5人
問合せ先 TEL.(本社)092-593-7662
担当 井上 郁子

(ふくおか経済EX2012年)