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タカラ薬局グループ
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地域医療支える集中展開、
業界将来見据えた新戦略も検討開始
「タウンホスピタル構想」のもと、福岡都市圏で集中展開するタカラ薬局。今後は大型門前薬局にも着目する他、新規参入、在宅医療など見据えた新戦略も練り始めた。社会福祉事業にも参入し「今何が求められるのか」を追求していく。
今年1月に移転オープンした博多駅前ビジネスセンター3階の本社事務所
「タウンホスピタル構想」での展開
タカラ薬局グループの薬局展開は、医療のある街づくりをテーマに地域の医療を支える「タウンホスピタル構想」のもと、エリアを絞ったドミナント出店戦略で、現在は福岡市内近郊を中心に64店舗を展開。複合型医療施設の「メディカルシティ」などで地域に不足する診療科目を補い、市民ニーズに応えている。
また、独自の基幹システムと自社物流システムで、全店舗間での自動在庫チェックと品物の店舗間移動を実現。不良在庫も削減させており、それら高精度の自社ネットワークも多店舗展開を下支えしている。
タカラ薬局で活躍する薬剤師
大型門前薬局にも着目
近年では、従来あまり積極的には手掛けていなかった大型門前薬局も検討中だ。というのも、業界関係者の間で“病院元年”と言われるほど、福岡都市圏の大型病院で今後、移転や新棟開設が相次ぐからだ。福岡大学筑紫病院(平成25年4月予定)をはじめとして、日赤病院(平成25年5月予定)、浜の町病院(平成25年10月予定)、徳洲会病院(平成25年11月予定)、子ども病院(平成26年8月予定)その他、ここ1〜2年の間に完成が集中している。
一度建て変わると、これから数十年の間その場所で診療が続くとあって、調剤薬局各社は、より良い立地を求め計画検討中であるという。
同社も2010年秋に「福岡大学筑紫病院前店」をオープンさせており、これからも「大きなチャンス」として新しい門前薬局を計画していく。
これから求められるもの
広義の業界ではドラッグストアの食品取扱の拡大や、OTC薬局の医薬品のネット販売への進出などが目立つ中、これらに併せるように新規参入も盛んだ。この傾向は今後も更に加速し、業界、業態を超えたボーダーレスの時代へと突入していく事が予測されるが、物販とはいえ医療に関わる限りは医療人としての基本理念を忘れてはならないと同社は考える。その環境下で、同社では「新規参入が多いからこそ、医師との信頼関係が重要」として、今後も調剤専門ゆえの安心・安全を提供していく。
さらに、その一環として在宅医療を見据えた具体的戦略も練り始めた。
今後、療養型病床の廃止や急性期病床の短縮化、終末期医療等を考えると、在宅医療はこれからさらに本格的な取組みが必要と考えられる。
これからの業界は、言わば「本物が求められる」時代。だからこそ、更に専門化した調剤薬局を追求していく同社に期待が集まる。
社会福祉事業への参入
医療、高齢者(介護)、子育ては近年盛んに言われているキーワード。その中で同社は、グループで地域還元を込めた社会貢献事業にも今後力を入れていく。その一つが、新たに挑戦する保育園の開設だ。昨年末に小川社長を理事長とする社会福祉法人の認可を取得。JR筑肥線の九大学研都市駅近くに、定員120人の「伊都保育園」を建設する。開園予定は来年4月1日。建設場所の周辺には、同社グループが開業支援したメディカルシティ伊都(内科、小児科、整形外科)もある。医療施設と保育施設とで「地域の子育て世代の親子たちの助けになれば」と小川社長は語る。高齢者施設についても、前述の在宅医療を前提に計画中だ。
一昔前は、企業の戦略において「我が社の強み」を軸とした考えが主流であったが、自社都合の戦略の為に従来の概念に縛られるよりは、むしろこの考えを払拭し、「今何が求められるのか」「今何が足りないのか」を一から考える必要があると、同社の柔軟な姿勢が伺える。
小川 明久(おがわ・あきひさ)社長 福岡県直方市出身、1966年12月10日生まれの46歳。福岡県立直方高校卒。趣味は写真、ペットと遊ぶこと |
〈企業DATA〉
所在地 〒812-0011 福岡市博多区博多駅前3-25-21 博多駅前ビジネスセンター3F
TEL 092-436-2900
FAX 092-436-2901
URL http://www.takarapharmacy.co.jp/
創立 1986年2月
資本金 7,200万円(グループ合計)
事業内容 薬局、薬店の経営
年商 78億円(グループ業績)
代表者 小川明久(おがわ・あきひさ)
従業員 269人
関連会社 ㈱タカラメディカル ㈱幸陽堂薬品
〈採用情報〉
募集職種 薬剤師
応募資格 薬剤師免許取得者、薬科大学卒業予定者 10名
問合せ先 TEL.092-433-5425
担当 岡村
(ふくおか経済EX2013年)