㈱ウエスト

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新ジャンルへの挑戦
すべては楽しい食事のシーンをつくるために

（写真上段）（左）自治体の記念式典にて （右）生そばウエスト
（下段）（左）ラジオ祭りにて（中央）企業商談会にて（右）マラソン大会にて

焼肉・うどんでブランドを確立しながらも新業態の開発に挑み続ける㈱ウエスト。多店舗展開の強みを生かし、今年は特にケータリング事業に一層力を入れ、企業や自治体にも売り込んでいる。

ケータリングサービスを本格化

これまでの焼肉、うどんに加え手頃な価格の生そば、うどんと居酒屋の二毛作、中華、カフェ、住宅街のかき小屋、しゃぶしゃぶ、洋風居酒屋など飲食事業において幅広く展開するウエスト。同社は、これらの多店舗展開の強みを生かしたケータリング事業「ウエストケータリングサービス」に力を入れている。
和洋中とバラエティー豊富な弁当やオードブルはもちろんのこと、出張営業では簡易店舗を設けて、店舗の味をそのままに、出来たてのうどんを提供する。また、焼きそば、カレーライス、かき氷、バーベキューなど季節やイベントに合わせたさまざまなシーンを演出できるのが売りだ。企業や自治体でのイベント、パーティー会場に料理を届け、スポーツや音楽イベント、地域の祭りやバザーにも対応していく。
同社は2012年、本社敷地内にセントラルキッチンを導入。効率化を実現し衛生面においても基準をクリアしている。新業態の挑戦でメニューの幅が広がったことからケータリング事業を本格化した。「まずは福岡市内近郊を中心に件数を増やしていきたい」と若山和夫社長。今後は会場の設定からサービス派遣まで一貫した体制も構築する考えだ。

大型サラダバーの導入で内容も充実

生そば・居酒屋投入で大型店へ挑戦

焼肉52店、うどん・生そば120店を中心に展開する同社。特に、ファミリー層をターゲットにした焼肉業態は景気回復への期待で業界全体に追い風が吹き始め、同社においても焼肉店の売上高は昨年対比で２ケタ増と好調だ。2014年度中には3年前から進めてきた焼肉店の改装が終了。座敷を個室に変更し、TV付き個室を増設。また、人気の高いサラダバーの面積拡大で内容を充実させたことで、集客力アップに弾みをつける。
また、うどん店は生そばや居酒屋を導入した業態にリニューアル。このほど、福岡市と北九州市内に3業態を備えた初の大型店を相次いで出店した。両店ともに同業態店舗でナンバーワンの売り上げを達成するなど好調なスタートを切っており、若山社長は「これまでなかった大型店舗にチャレンジしたことで、それに伴う売上拡大と収益確保につながり、さらに出店の可能性が広がるなど好循環を生み出している」と確かな手応えを感じる。今後は郊外を中心に大型店にも目を向け出店地開拓を推し進めていく。
さらに、中華業態においては関東風の「東京下町ラーメン」が新メニューとして登場。醤油ベースのスープに自家製麺、具材には2枚のナルト、シナチク、ほうれん草、味玉、チャーシュなどを盛り込み、昔ながらのシンプルな味に仕上げている。博多の地では珍しい関東ラーメンに特化した新店舗の出店も意欲的だ。「どんな業態においても共通するものはお客さまにとって健康、懐に優しい、三世代が集える店であること。人と人の絆が深まる空間をつくること」と強調する若山社長。サービスと料理を通して楽しい食事のシーンを提供するため、同社の新ジャンルへの挑戦の手が緩む気配はまったくない。

若山 和夫 社長 わかやま・かずお／千葉県銚子市出身、1948年5月16日生まれの65歳、YMCAホテル専門学校卒

企業DATA
所在地　〒812-0887 福岡市博多区三筑1丁目5-8
ＴＥＬ　092-582-3911
ＦＡＸ　092-574-0699
ＵＲＬ　http://www.shop-west.jp/
設立　1966年3月
資本金　9,790万円
事業内容　飲食店の経営
年商　143億円（2014年2月期見込み）
代表者　若山和夫
従業員　2,000人（パート、アルバイト含む）
関連会社　㈱西文、㈲河津ウエスト、㈲稲垣ウエスト

（ふくおか経済EX2014年）