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北九州―那覇貨物、積載率80%目標に ANAカーゴ


週5便で運航

ANAホールディングス㈱(東京・汐留、片野坂真哉社長)傘下の㈱ANAカーゴ(外山俊明社長)は5月14日、北九州市小倉北区浅野2丁目のリーガロイヤルホテル小倉で6月5日から北九州―沖縄間で就航する国際貨物定期便の概要を発表した。
同路線は24時間運用の北九州空港と那覇空港にある全日空の貨物ハブを経由して、上海や香港などアジア主要6都市を結ぶ国際貨物定期便。同社が保有するボーイング767の貨物専用機(積載可能数50トン)を使用し、火曜から土曜までの週5便体制で運航する。午前0時40分に北九州空港を出発、那覇を経由で上海、香港、台北、ソウル、バンコク、シンガポールのアジア主要6都市に午前中に荷物が到着するダイヤ編成を採用した。これにより九州から目的地までの輸送時間が約1日短縮されることになる。貨物専用機を使った九州での定期便はANAグループで初めて。目標積載率は80%。電子・半導体関連、農林水産物などの需要を見込んでいる。
会見した外山社長(全日空上席執行役員)は「ANAグループは国際定期貨物事業を国内、国際旅客と並ぶ第3の成長分野と位置付けている」とした上で、「九州における貨物輸送は前年比30%増と好調。北九州から那覇を経由した国際定期貨物便によるリードタイムが約1日短縮されることになる。電子・半導体関連、農林水産物の需要拡大を目指していきたい」と新路線への意気込みを強調した。また、会見に同席したANA九州支社長の大人形綱邦上席役員(九州・沖縄地区担当)は「貨物定期便の就航に合わせ、各界から熱い期待、激励をいただいている。平日週5便体制の運航はANAグループの九州に対する意気込み。必ずや成功させたい」と語った。
会見終了後に開かれた記念パーティーには小川洋県知事、北橋健治北九州市長ら地元関係者ら170人が出席。小川知事は「今回の国際貨物定期便就航は福岡空港と北九州空港との役割分担、相互補完による県の空港振興策と合致する非常に意義深いこと」とした上で、「翌朝にはアジア主要6都市に荷物が届く新しいルートは製造業、農業にとっては大きな」強み、北橋健治市長は「地元各界が待ちに待った国際貨物定期便。東九州自動車道を活用すれば九州全域、西中国地域にとっての航空貨物の拠点となる。長期的な安定運航を実現するため、集荷の促進に力を入れていきたい」と同路線就航に期待を寄せた。

2018年5月22日発行