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㈱チヨダ
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総合力を生かした展開で新たな需要を開拓
(写真上)商品課やショップのスタッフも参加した全体朝礼を毎日実施。より良いサービスを提供するために密な情報共有を図っている
(左下)社内に設けた刺繍部門と補正部門
(右下)クリーニング店「SAKURA.」の店内
企業ユニフォーム専門商社としては九州トップの納入実績を誇る。近年は時代の変遷と多様化するニーズに伴い、商材の開発と新規事業の展開に注力。そしてそれらを連動させた総合力で新たな需要の創造、そして市場でのさらなるシェア拡大を図っている。
クリーニング店を窓口に長期保管やレンタルの需要増
企業ユニフォームの九州トップディーラーとして君臨する同社が、従来の納入事業に付加価値を加えた新規事業を次々とスタートさせ、注目を集めている。
2014年春には福岡市南区若久に初のクリーニング店「SAKURA.」を開業。同店では通常のクリーニングサービスはもちろん、店舗と連動したストック機能を生かした長期保管サービスが好評で、法人・大口を中心に事務服や制服、白衣などのレンタル需要を大きく伸ばしている。
加工業務の内製化でコスト削減と納期短縮を実現
さらに以前は外注に依存していたネーム刺繍や裾上げなどの補正を行う専用工房を本社内に設けるなど、加工業務の内製化も進めている。12月には人員確保を含め安定的に供給できる体制が整ったことを受け、新たに二頭式の刺繍ミシンを増設。作業能力をこれまでの2倍としたことで、大幅なコスト削減と納期の短縮を実現した。
「ユニフォームの納入、加工、クリーニング、保管をワンストップで提供できる基盤が確立できたのは大きい。納入形態も販売、レンタルと選択肢が増え、顧客の利便性向上とともに、営業展開の幅もさらに広がった」と山口社長は胸を張る。同社では保有するすべての事業を密接にリンクさせたシナジーを強みに、多様化するユニフォーム関連ニーズをトータルでサポート。まさに企業としての総合力によってマーケットシェアのさらなる拡大を図っている。
南警察署そばにある本社ビル |
今春からスポーツウェアの取り扱いを開始
また加工業務の完全内製化を確立したことで、新商材の取り扱いも本格化した。それが「スポーツ・チームウェア」のジャンルだ。
今春には本社ビル1階のショールームを拡張し関連の展示ブースを新設。また元プロスポーツ選手を専属スタッフとして置き、スポーツに関する豊富な知識と状況に合った適切なアドバイスのもと、企業のレクリエーションやチームユニフォーム、各種クラブチームやスポーツスクールなどのウェアニーズに対応している。同社では取引業種の裾野に加え、対象年齢の拡大という点でも同関連商材に寄せる期待は大きい。
機動力ときめ細かな営業でCSを向上
一方の社内体制においては、営業支援ツールとして導入を進めてきた新たな顧客管理システムを構築。これまでの商談履歴や過去の取引実績などから、「案件内容、日時、受注額」といった見込み状況を把握できるようになり、予算化しやすい戦略的な営業を可能にした。またこれらの情報をベースに、同社のネットワークを生かして収集した業種・職種ごとの様々な事例や情報をフィードバックし営業マンが共有することで、提案の精度を上げ、CSのさらなる向上を目指している。
現在のユニフォーム市場はピーク時の半分の約5000億円と言われている。今後も少子化に伴う就業人口の減少が懸念される中、これからユニフォーム納入の一本槍では生き残れない時代となっていくのは明白だ。同社は時代を見据えた発想力とアイデア、そしてスケールメリットと圧倒的なネットワークを強みに、常に顧客へのプラスαを提供するユニフォームの専門集団として、新たな市場を創造していく。
左から山口剛弘常務、創業者の野田耕会長、山口進社長。後継者不足に悩む企業が多い中、親子3代にわたる継承で永続企業への礎を築いている |
企業DATA
所在地 〒815-0032 福岡市南区塩原2-7-5
TEL 092-562-1221
FAX 092-562-2511
創業 1961年8月
設立 1972年10月
資本金 1,000万円
事業内容 企業ユニフォームの卸売・小売・レンタル
年商 15億円(2014年07月期)
従業員 40人
出先 (支店)北九州、久留米、飯塚
関連会社 ㈱チヨダネットワーク、㈱チヨダセレクション、㈱さくらユニフォーム
URL http://www.chiyoda-jp.com
(ふくおか経済EX2015年)