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福岡空港で自動運転バスのデモ 東京都のSBドライブ


アジア太平洋ITSフォーラムの一環で

ソフトバンクグループで自動運転技術の導入に関するコンサルティングを手掛けるSBドライブ㈱(東京都港区、佐治友基社長CEO)は5月8日から10日にかけて、福岡空港での自動運転バスのデモンストレーションを実施した。
同期間に福岡国際会議場(博多区石城町)などで開催された、高度道路交通システムに関する国際会議「第16回アジア太平洋地域ITSフォーラム 2018福岡」の一環。福岡空港内の国際線ターミナルと国内線ターミナル間の連絡バスの一部走行区間を、小型バスが自動運転で走行した。自動運転レベルはドライバーが乗車する「レベル3」で、限定領域内で自動運転システムがアクセルやブレーキ、ハンドル、ウインカー操作などすべての運転操作を実施し、道路状況などにより作業継続が困難な場合や限定領域以外の区間は、ドライバーが手動運転で対応する。自動運転時は、車両に搭載されたカメラやレーザーレーダーなどで周囲の状況や障害物などを検知しながら、GPSを活用してあらかじめ設定したルートを走行する仕組み。
同社の宮田証COOは「福岡県は大都市と中山間地が両方ある、まさに縮図のようなエリア。行政や地域、さまざまな産業とともに、実用化のフィールドの多様化を進めていきたい」と話した。4月26日の試乗会に参加した小川洋県知事は「福岡空港では国際線の利用者が増加しており、連絡バスの需要が高まる中で、ドライバーの確保は難しい状況。ほかにも中山間地域のシニア層の生活の足の確保など、課題解決のために自動運転の可能性を探りたい。ITSフォーラムを機に、先端技術が広く内外に発信されれば」とコメントした。
同社は、ソフトバンクと東大発ベンチャーの先進モビリティ㈱の合弁会社として、16年4月に設立。全国各地で自動運転バスの実証実験を実施しており、福岡県内では北九州市と連携協定を締結している。

2018年5月15日発行