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日本を代表するサインメーカー
(写真)新本社工場の裏手に並ぶ桜の木に集まる社員。現在本社では150人以上が働く
昨年創業60周年を迎えたメタルサイン総合メーカー・オオサカネームは近年、設備投資の増加を背景に順調に業績を伸ばし、直近の売上高で20億円を突破。堅固な財務体質と経営基盤を築いている。新工場での生産も軌道に乗り、創業以来培ってきた経験と技術に磨きをかけ、日本を代表するサインメーカーへと進化している。
設備投資増加し売上高は20億円
1959年に「大阪ネームプレート」として設立し、昨年創業60周年を迎えた㈱オオサカネームは、長い月日の中で確かな技術を築き上げ、国内有数のメタルサインメーカーとして実績を積み重ねてきた。一つ一つの仕事を着実にこなし続ける社風は売り上げをけん引し、一時は13億円まで落ち込んだ売上高も順調に回復。井手社長は「近年は全国各地で大規模、小規模問わず設備投資が相次ぎ、更新期を迎えた建物の建て替えや戸建住宅やマンション、アパートなどの増加に伴ってサインの需要が拡大している」と説明した上で、大台となる売上高20億円(2019年9月期)突破に笑顔をみせる。
安定した経営基盤は年々強化されており、西日本シティ銀行保証付きの私募債を発行。同私募債はSDGs(持続可能な開発目標)承認支援型のもので、同社は「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」「すべての人に健康と福祉を」の3項目で公益財団法人九州経済調査協会からSDGs認定書を授与される。また、福岡銀行保証付きの私募債も発行し、同行に支払う収益金の一部をSDGsに関する団体に寄付するなど、社会貢献にも力を注いでいる。
(写真左上)社内平均年齢が40歳以下と若手社員が活躍している (右上)本社内の食堂で昼食をとる社員。一食300円の手頃な値段で一汁三菜の定食を提供している (下)本社工場の外観。建物に飾られているサインは同社が制作した |
「短納期・高品質・多品種生産」を徹底
同社製品は、客注を受けてからのオードメードが大半を占めており、営業社員が取引先と打ち合わせを重ね、「短納期・高品質・多品種生産」を徹底して、顧客が納得する製品を本社工場で作り上げる。受注が増加する東京、大阪にも営業拠点を置き、昨年9月には大阪営業所を移転。心機一転、現地での営業強化に力を注いでいる。
新規の受注拡大に向けて、自社製品を売り込む場となる「SIGN&DISPLAY SHOW」などの展示会にも積極的に出展し、今年も確かな手応えを得た同社。「ネオン管を表現する為に、アクリルをR形状に削った内照式サインを展示していたところ、『懐かしいようなあたたかな印象を与えて、思わず手で触れたくなるようなサイン』と、来場者に好評だった」と井手社長は振り返る。
健康経営優良法人を認定
2018年に新本社工場が完成したことで、作業効率が格段に向上した同社。工場では箱文字や切文字、エッチング看板など各種サインを製造、腐蝕加工をはじめとしたあらゆる金属仕上げを可能にするため、多種多様な薬品を安心して使用できる設備設計を施している。
また、本社内には100人が同時に利用する社員食堂があり、安価で昼食を提供。経済産業省から「健康経営優良法人2020」認定法人(地域の健康課題に対する取り組みや日本健康会議が進める健康増進の取り組みをもとに、とくに優良な健康経営を実践している企業の法人を顕彰する制度)に選ばれている。
「社員が健康でいてくれるからこそ、当社は技術力で勝負できる。せめて昼食だけでもバランスの良い食事を食べてもらい、年齢が高い熟練工にも少しでも長く働き続けてもらいたい」と笑顔で話す井手社長。好調な業績を維持できる背景には確かな技術や営業力のほか、社員を食事で支える豊かな環境があるのかもしれない。
井手 隆二 社長 福岡市東区出身。1968年5月31日生まれの51歳。西南学院大学卒。西日本シティ銀行を経て、97年8月同社入社。2010年12月社長就任 |
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担当/井手
(ふくおか経済EX2020年)