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売上高100億円突破、世界無二の総合リサイクル商社へ

オークション事業や海外外商事業、リユース小売事業などを柱に成長し、ついに売上高が100億円を突破した㈱おお蔵。古賀清彦社長は「世界無二の総合リサイクル商社を目指す上で、取り扱いの無いアイテムやサービスは盛り沢山。日本のリユースを世界に向けて推し進めていきたい」と意気込む。

成長の背景に「1人1人の職人技」

古賀社長が東京の大手時計販売店での7年の経験を踏まえ、当時ほとんど皆無だったという「中古時計の卸専門の会社」として創業した同社。中古腕時計を大量に仕入れることができるオークションはせいぜい月に1回程度しか開催されない時代に、独自のネットワークを駆使して、顧客が商品を仕入れたい時にリアルタイムで欲しい商品を提供し、オークションに出向く手間と労力、そしてまがい物をつかむリスクまでを低減したビジネスモデルは瞬く間に支持を集めた。以来、業績は右肩上がりを続け、現在では腕時計にとどまらず、宝石やブランドバッグ、アパレル、着物とその領域を広げ、事業規模を拡大している。
こうした成長の背景には、「社員1人1人の職人技がある」と古賀社長は胸を張る。経験値が物を言う中古品の仕入れにおいて、早くから事業部制にしたことで、専門性や職人器質が養われたというのだ。将来的には、例えば家具や自動車、フィギュア、不動産物件など、ありとあらゆるリユースの取り扱いを構想するなか、ただ取り扱いを開始するだけでなく、そのアイテムに特化した人財の教育と育成を、これまで同様に構築していく方針だ。

新たなマーケット創出と世界展開へ

現在、卸販売を中心に、輸入事業やWEB販売、店舗開発、オークション事業、定額制ブランド品レンタルサービス「My Stock（マイストック）」に鑑定協会など、総合リサイクル商社に向けて次々に独自のプラットホームを構築している同社。今後はさらに、買取店舗FC事業や教育事業、海外展開など、新たなマーケット創出を見据えている。
その中でも特に力を入れるのが世界マーケットへの展開だ。現在、国内で仕入れた商品は、香港の現地法人の店舗を拠点に輸出しており、ヨーロッパ、アメリカ、シンガポールなどに販路を拡大している。今年2月にはアメリカにも現地法人を設立し、早期に香港と同様の店舗を開いて品揃えを拡充するとともに、現地向けのＥコマースも強化する。今後も世界情勢を見極めながら、ロシア、オーストラリア、インドなどへのさらなる拡大を構想。「国によって売れ筋が違ったり、相場が違ったり、ビジネスの手法もさまざまだが、将来的には現地法人で地産地消が出来るように開拓していきたい」と無限大に広がる世界市場に挑戦する。

全社員の物心両面の幸福を追求

創業当初から少数精鋭を貫き、一貫した経費削減に努め、「1人1人の職人技」に裏打ちされた強靭なプロフェッショナル集団を組織してきた同社。その経営理念に掲げるのが『全社員の物心両面の幸福を追求する』ことだ。現在では女性社員も増える中、子育て中の女性社員の要望を受け、今年秋をめどに本社ビル1階に託児所の開設も計画する。古賀社長は「やはり人財あっての当社。少しでも要望に応えることで、全社員が会社に誇りと自信を持ってくれれば」と願って止まない。
10年ビジョンとして、100年企業へのブランド力を磨き、世界無二の総合リサイクル商社を目指す同社では、新卒者もパートナーとして迎え入れている。古賀社長は「“リユース”というニッチな産業だが、そこに特化することで道は大いに切り拓かれる」と今後も福岡を拠点に未知の可能性を信じて邁進し続ける。

古賀 清彦 社長 こが・きよひこ／福岡市南区井尻出身。1971年の10月8日生まれの46歳。東京の大手時計販売店、㈱ベスト販売新宿本店店長など経て、03年帰福し、古賀商店を創業。04年現・㈱おお蔵を設立し、社長に就任。趣味はゴルフ

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