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(株)サニックス
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強固な収益構造の構築へ一般住宅向け事業にも再注力
太陽光発電、プラスチックのリサイクル燃料による資源循環型発電、そして環境衛生管理。新社長の指揮のもと、3事業からの安定的な収益確保をテーマに、成長軌道への転換を目指す。
経営合理化を経て収益基盤固めの年に
サニックスにとって、平成29年度は、昨年4月に発表した「中期経営計画」の中盤となる2年目に入る。太陽光発電の事業環境の変化に伴う売上高減少を受けて策定した同計画は、持続的かつ安定的経営に向けて、太陽光発電事業への一極集中を修正し、各事業のバランスが取れた収益構造の構築を目指すものだ。
中期経営計画1年目の平成28年度は、店舗統廃合や人員削減等、抜本的な経営合理化による基盤固めに徹した。平成29年度は、太陽光発電事業(SE事業)、環境衛生管理事業(HS事業・ES事業)、産業廃棄物の処理・リサイクル事業(環境資源開発事業)の3事業の収益基盤を、さらに強固なものにしていく。
同社ビジネスの原点である一般住宅向け事業に再注力
ここ数年、既存顧客のメンテナンスを主体とした活動にとどまっていた一般住宅向けの環境衛生管理事業(HS事業)についても、平成28年度から徐々に力を入れ始めている。
HSは、創業以来取り組んできた、同社の礎を築いた事業である。主力のシロアリ防除から始まり、床下換気扇等、住まいのホームドクターとして、丈夫で長持ちする住まいと快適な暮らしを実現する商品・サービスの提供に努めてきた。
昨年度からは、中期経営計画を受けて、断熱材、遮熱材、排水管洗浄等、各種新商品も投入し、サービスの幅を広げている。
多様化するニーズに対応したリフォーム事業も
既存顧客からのニーズを汲み取るかたちで、リフォーム事業も拡大させる意向だ。今でこそ、住宅にも「ストック型」の思考が一般的となっているが、同社は、築後20〜30年での建て替えが主流だった時代から、適切な維持管理による「長く住まえる家づくり」を提案してきた。背景に、資源の有効活用・環境保全への思いがある。
住宅の耐久性を維持するための外壁屋根塗装から、ライフスタイルや家族構成の変化に合わせた間取り変更・水周りの改善、高齢化に対応するバリアフリー対策、そして耐震改修工事まで、リフォームのニーズは幅広い。反面、ユーザーにとっては、「どこに依頼すればいいのか、わからない」となりがちである。同社は、既存顧客の定期点検を行う中で、その相談窓口となることで、ニーズの掘り起こしに努める。
新社長就任で第二の創業期へ成長企業への脱皮をめざす
HS以外の事業も、中期経営計画に則って新年度に臨む。
太陽光発電事業においては、価格競争力を保ち、接続容量に余裕のある関西・中部・東京電力管内での営業展開を継続するとともに、FIT法改正によって対応が求められる既存設備のメンテナンスにも取り組む。
環境資源開発事業では、廃プラスチックの燃料化加工において、プライスリーダーとして、処理単価を引き上げながら燃料の品質向上に努めつつ、苫小牧発電所の安定稼動を維持する。
「環境とエネルギーの会社として、再生可能エネルギーの普及と静脈産業の拡大を図る」。今年1月に急逝した創業者・宗政伸一氏の遺志を引き継ぎ、宗政寛新社長が、各事業のバランスが取れた収益構造の構築に、意欲を見せている。
[CHECK]
創業者の遺志を継ぎ、「環境衛生とエネルギー」関連の3事業でバランスの取れた収益構造の構築を目指す
【DATA】
所 在地 〒812-0013 福岡市博多区博多駅東2-1-23
TEL 092-436-8870
FAX 092-436-8871
創業 1975年4月
設立 1978年9月
資本金 140億4,183万円
事業内容 環境資源・エネルギー事業
年 商 619億1,600万円(2016年3月期連結)
代表者 宗政 寛
従業員 1,844人(2016年9月末現在)
出先 西日本SE(ソーラーエンジニアリング)部門4地区本部25拠点、東日本SE部門3地区本部10拠点、HS(ホームサニテーション)部門4地区本部40拠点、ES(エスタブリッシュメントサニテーション)部門2拠点、産業廃棄物処理・リサイクル部門15工場(2017年2月末現在)
関連会社 ㈱サニックスエナジー、㈱北海道サニックス環境、㈱C&R、㈱サニックスエンジニアリング、善日(上海)能源科技有限公司、㈱SEウイングズ、㈱サンエイム、㈱サニックス・ソフトウェア・デザイン、㈱エネルギー総合開発研究所
URL http://sanix.jp
(ふくおか経済EX 2017より)