FEATURE

ふくおか経済EX 2017

西日本プラント工業(株)


中期経営計画2年目、3本柱で電力システム改革に対応

九州電力グループの中核企業として、発電所などの建設、保修工事を手掛け、60年以上にわたり電力の安定供給を支え続ける西日本プラント工業㈱。中期経営計画「イノベーションプラン」2年目を迎え、コスト改革、営業改革、要員改革の3本柱を軸に、電力システム改革に対応する。

火力発電所で培った技術を活かして小水力発電設備の据付にも挑戦

2020年度を見据え、中期経営計画を推進

昨年4月、「電力の小売全面自由化」がスタートし、電力間競争という新たな局面を迎えた。新たな電気料金メニューの創設や新サービスの提供、コスト競争力のある電源の開発など、各電力会社が競争環境への対応策を次々に打ち出す中で、同社の受注を巡るコスト競争も一層激化している。平田宗充社長は「変化に柔軟に対応できれば、電力システム改革は大きく飛躍できるチャンス」と企業価値の向上を目指し、安全・品質の確保やコンプライアンスの遵守を最優先にした低コスト体質への改善策を打ち出している。

その中で始動したのが中期経営計画「イノベーションプラン」。電力システム改革の第3段階(発送電分離)が予定されている2020年度を最終年度とした5カ年計画で、今期2年目を迎える。コスト改革、営業改革、要員改革の3本柱を軸とし、競争に打ち勝つためのコスト競争力強化や施工領域拡大と新規顧客の開拓による受注拡大。また、変化に柔軟に対応するための要員の機動力と技術力強化などを掲げ、部門枠を超えた具体策の実行や社員間の理解浸透に向けた取り組みを進めている。

青年技術者日本一を競う「技能五輪全国大会」に3年連続出場中

次代へつなぐ高度な技術力

「誠実な施工はいかなる環境にも対応できる」と平田社長。社員自らが発電設備の建設、保修工事に対する豊富な知識と経験をもち、九州各地の事業所連携を高めた迅速な対応を徹底している。その維持と向上に向けては人材育成が不可欠だ。

定期的に新卒採用を実施し、同世代の先輩社員がマンツーマンで技能や生活指導にあたる「ブラザー制度」は学びの可能性を広げている。また、自社で社員研修所を保有し、必要な技術力を実践的に習得できる環境も整えている。さらに、若手社員が社内で技術力を競い合う「全社技能競技会」や、卓越した技術力をもつ第一人者を社内で認定する「マイスター制度」、技能レベル日本一を競う「技能五輪全国大会」出場への支援など、あらゆる教育プログラムを組んで技術継承に真摯に向き合う。

これまでの歴史の中で培ってきた技術と実績は、仕事の質に対する信頼も得ている。本社1階ロビーには創立60周年記念事業の一環で「歴史コーナー」を設け、脈々と受け継がれてきた同社の精神を今に伝える。

同社にとって、今年は九州電力の玄海原子力発電所の3、4号機の再稼働に向けた安全対策工事が大詰めを迎えるとともに、石炭火力の松浦発電所2号機建設工事の本格化が待ち受けている。徹底した安全作業と品質管理を最優先に、持てる技術をフルに生かして、「電力の安定供給に貢献する」という不変の使命をまっとうする。

平田宗充 社長
ひらた・そうじゅう/長崎県出身、1950年9月9日生まれ。京都大学法学部卒。74年4月九州電力㈱入社後、2012年6月取締役常務執行役員お客さま本部長を経て、15年6月現職。剣道七段

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「歴史コーナー」は、創業時の給与袋や制服、歴代社長の直筆メモも展示され西プラ歴史が一目でわかる

【DATA】
所在地 〒810-8540 福岡市中央区高砂1-10-1
TEL 092-533-1702
FAX 092-533-1750
創業 1954年5月
資本金 1億5,000万円
事業内容 原子力・火力・地熱発電所及び産業用設備などの建設・保修
年商 510億円(2016年3月期)
従業員 2,221人(2016年4月現在)
出先 (支店)東京 関西(営業所)長崎 (事業所)小倉 新大分 苓北 玄海原子力 川内原子力 他23
関連会社 鷲尾岳風力発電㈱、㈱プラズワイヤー、宗像アスティ太陽光発電㈱、奄美大島風力発電㈱、㈱ジェイ・リライツ、㈱朋友、サンシン工業㈱、㈱メンテック
URL http://www.npc21.jp

【採用情報】
募集職種 技術職(機械・電気・放管)、事務職
採用実績 2016年度55人、2017年度51人
採用予定 40人
問合せ先 092-533-1705
担  当 人事グループ

(ふくおか経済EX 2017より)