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朝日Ｉ＆Ｒ（株）
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「朝日I&R」に社名変更 3事業部体制スタート
佐賀、福岡県を中心に住宅、不動産事業を手がける㈱朝日工業は4月1日、「朝日I&R」に社名変更してスタートを切った。投資用太陽光で業績を大きく伸ばしつつ、原点回帰として住宅・不動産事業での新たな展開準備を進めている。
4月中旬武雄IC近くに新本社完成
設立50周年の節目に変更した新社名「朝日I&R（アサヒ アイ アンド アール）」は、同社の今後の方向性を明確に示す一つの指標となっている。朝日は創業の地であり、現在も本社を構える佐賀県武雄市朝日町から、Iは投資や革新・自立・無限などの英語の頭文字、Rは創業者の故・龍之介氏の名前から取り、不動産・リニューアル・リフォームなど中核事業の意味を持たせている。4月中旬には武雄IC近くに新本社が完成予定で、新たな拠点として稼働する。
同時に、急成長に伴って分散していた人材や資源などを再編するため、「建設・建築部門」「住宅不動産部門」「投資不動産部門」を設立。意思決定のスピードを高める3事業部体制を敷き、今後は事業拡大の計画を練っていく。
建設・不動産・投資3事業部体制で拡大
建設・建築部門は同社創業の事業部でもあり、現在は20人体制で佐賀、福岡県を中心に戸建てやリフォームを手がける。今後はM&Aも視野に入れて人員を大幅に増強し、自社施工の体制を強化していく方針だ。
住宅、不動産部門では戸建て住宅の販売・ショールーム「ハウスプラザ」を佐賀県武雄市、佐賀市、福岡県筑紫野市で3店舗、佐賀市内で不動産仲介店舗「いえとち本舗」を１店舗展開。マイホームに関するワンストップサービスを提供する「住まいの相談窓口」として地元に根を張った、同社の基盤とも言える事業部。昨年5月には新築、内装リフォームに加えて、新規事業となる外装リフォーム専門店「ガイソー」を鳥栖市内にオープンし、住宅市場での新たな可能性を模索していく。
そして、投資不動産部門は近年投資用太陽光発電の販売を手がけることで、同社の成長をけん引してきた大きなエンジンだ。2013年に参入以降、建設、不動産部門で培った土地ネットワークを生かし、太陽光発電所「enepark（エネパーク）」を、九州地方を中心に開発。これまで同社の事業とは無縁だった事業者や投資家向けに販路を開拓し、前期（2016年度）までに250区画（30MW）以上の施工・販売実績を積み上げてきた。
条件をみたすことで損金（50%即時償却）可能な生産性向上設備投資促進税制の追い風もあり、前期も16MWを施工・販売。売り上げは前年比3割増の35億円に伸長した。自社でも6MW購入し、累計の自社所有分の太陽光発電所は9MWを超え、安定した経営基盤を構築している。「税制優遇を活用した発電所の販売は、前期で一段落する。しかし、建設コストが下がり、安定的な利回りを得られる点などを考慮すると、発電所は投資案件として十分に通用する。今期も一度購入した顧客の買い増しなどの需要があるだろう」と野畑社長は見通しを立てる。
東京・福岡支店開設 グループ売上高70億円目指す
同部門では太陽光発電所だけでなく、今期からは本業の建設・不動産業への原点回帰を掲げ、新たな投資用商品の開発準備を進めている。現在、賃貸用アパート、マンションへの投資件数が全国的に増えているが、同社でもRC造の賃貸マンションや戸建賃貸の開発を計画しており、既存の顧客や、新たにサラリーマン層の投資家など向けにも販路を広げていく。
「また、これまでの不動産流通の経験を生かし、既存不動産の買取再販を見据えて企画をしていきたい」と語る野畑社長。4月には東京支店を開設、年内には福岡支店を博多駅前に移転する準備を進めるなど、今期は売上高70億円を視野に、多角的に事業を拡大していく。
野畑龍彦 社長
のばた・たつひこ／佐賀県武雄市出身。1966年3月15日生まれの51歳。熊本工業大学卒。1988年㈱朝日工業入社、2001年同社社長就任
[CHECK]
自社所有の発電所から得られる売電収入は年間3億5,000万円で、強固な財務基盤を築いている
【ＤＡＴＡ】
所在地
（本社）〒843-0001 佐賀県武雄市朝日町大字甘久3589-2
（福岡支店）〒818-0035 筑紫野市美しが丘北3-14-10
ＴＥＬ 0954-22-3268（本社）092-403-2200（福岡支店）
創業 1965年4月
資本金 3,003万円
事業内容 不動産売買・仲介・買取・リフォーム全般・増改築・外部塗装・防水、太陽光発電システム販売 （住宅用・産業用）など
年商 60億円（2017年3月期）
従業員 60人（グループ連結）
出先 ㈱RisingSun、いえものがたり㈱、㈱大一建設
ＵＲＬ http://www.asahi-houseplaza.com/
（ふくおか経済EX 2017より）