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モロフジホールディングス(株)
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HD化で新生“モロフジ”始動 生産拡大、商品開発に磨き
1953年の創業以来、包装業界のトップランナーとして企業の要望に応じた袋作りに力を注ぎ続ける㈱モロフジ。昨年8月、社長交代と同時期に持ち株会社制に移行し、新体制で次なるステージへ挑む。全国各地から受注が増え、業績面も好調に推移。新工場建設や増築などの設備投資で、さらなる生産拡大を推し進める。
ホールディングス化で新体制
昨年8月、父で現在相談役を務める諸藤雅人氏の後を継いだ諸藤俊郎社長。「世代交代を図り、社内体制の強化に努めたい」という方針のもと、8月31日には持ち株会社制に移行し、モロフジホールディングス㈱を設立、新体制でさらなる知名度向上と生産拡大に向けて動き始めた。
傘下には、包装資材メーカーの㈱モロフジ、熊本の自社工場2カ所を運営する㈱モロフジケミカル、インターネット通販サイトの構築や通販事業支援などの諸藤通商㈱、長崎県産の野菜などを通販展開する地のものファーム㈱の4社が連なり、2016年8月期売上高はグループ全体で40億円と好調に推移している。
今回のホールディングス化を機に “モロフジ”ブランドをより一層対外的に発信し、知名度向上と社員のモチベーションアップへの効果に期待を寄せる。
群馬県に工場新設、新分野に意欲
全国各地からの受注が増え、最近では関東地区における顧客が増加傾向であることから、群馬県伊勢崎市に4億円を投じた新工場を建設する。9月着工、来年4月の稼働を目指し、製造工場の新設で業務効率化と事業リスクの分散に取り組む。
新工場では従来製品に加え、ペットボトルに付随するおまけ商品などを入れる袋や、シャンプー、リンスが入った販促用の袋を初めて手掛けるといい、新分野での袋製造にも意欲的だ。特に新工場では、小ロット生産を強みとする同社の特徴を生かし、一般的に一万枚からの受注が多いなかで1000枚からの受注に対応し、差別化を図っていく。
受注増加による設備投資は関東地区にとどまらず、既存の熊本工場でも進み、熊本第2工場には3月、これまで外部委託していた野菜用パッケージ袋を製造する新たな機械を導入。自社で内製化することでコスト削減につなげるという。さらに第1工場には2億7000万円を投じて工場を増築中で、11月稼働を目指し、生産能力4割アップを見込む。
国際特許取得の「キャッチバッグ」開発
時代のニーズを取り入れた新商品の企画開発にも余念がない。近年、コンビニなどの持ち帰りコーヒー需要の高まりを受け、持ち帰り飲料専用の手提げ袋「キャッチバッグ」を開発、昨年から販売している。
手提げ袋の中にカップを固定する台紙をあらかじめセットしたことが特徴で、一体化させることで固定台紙を袋に入れる手間を省き、袋を開くだけでカップをセットできる。現在、1個用と2個用を販売しており、コンビニエンスストアを対象とした業者向けに販売を強化していく。「消費者の利便性を追求し、国際特許を取得した『キャッチバッグ』の生産拡大を推し進めることで、当社の知名度向上にもつながるのでは」と期待する。
新体制の始動や新工場建設、生産拡大への設備投資などハード・ソフト両面で展開を加速する同社。新卒採用にも積極的で、今後の事業拡大を見据えた人材確保にも尽力する。1月には、今年4月入社の新入社員配属による人員の増加から、東京オフィスを拡張移転しており、営業体制強化で新規顧客の獲得に努める。
「モロフジホールディングス」という新体制で本格始動する今、時代や顧客の要望に応じた手提げ袋製造のプロフェッショナルとして存在感が高まっていく。
[CHECK]
将来的な海外展開を見据え、昨年からベトナムに駐在員を派遣して市場調査に取り組んでいる
【DATA】
所 在地 〒810-0012 福岡市中央区白金1-6-14 ニチエイ白金ビル4F
TEL 092-753-6830
FAX 092-753-6833
設立 2016年8月
資本金 1,000万円
事業内容 グループ戦略立案
年商 40億円(グループ合計)
従業員 200人(グループ合計)
出 先 東京、大阪、熊本、長崎
グループ会社 ㈱モロフジ、㈱モロフジケミカル、諸藤通商㈱、地のものファーム㈱
URL http://www.morofuji-h.co.jp
【採用情報】
募集職種 営業・企画・WEB企画・海外業務
応募資格 大学卒、大学院卒
採用実績 2016年度3人、2017年度6人
採用予定 2018年度新卒5人程度
問合せ先 TEL.092-924-0003
担 当 管理部 村上
※採用情報は㈱モロフジの内容を記載
(ふくおか経済EX 2017より)