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貨物便で北九州線を新設 ANAホールディングス


週5便、関西—那覇線経由で

ANAホールディングス(東京都港区東新橋1丁目、片野坂真哉社長)は1月18日、2018(平成30)年度の輸送事業計画を策定、貨物便で北九州線を新設する。

北九州線は関西—那覇間経由便として新設、6月4日から週5便(片道)で就航する。貨物専用機での路線開設は九州で初めて。運航はグループのANAカーゴ㈱(外山俊明社長)が担当し、中型の貨物専用機ボーイング767の貨物専用機(積載重量50トン)を使用する。運航ダイヤは午後10時に関西空港発、11時に北九州空港着、午前0時40分に北九州を出発、那覇に午前2時30分に到着する。北九州空港が24時間運用の海上空港であることや、空港周辺に半導体や自動車産業が集積しており、九州域内からの潜在的な需要が見込まれていることから就航を決めたという。現在、ANAカーゴは中国、アジア各都市を結ぶ「貨物ハブ(拠点)」を那覇空港に設け、翌朝には日本からの集荷物を各都市に届けるサービス体制を確立していることから、九州とアジア各都市との国際航空貨物ネットワークでも存在感を発揮していきたい考え。

ANA広報部では「九州唯一の定期貨物専用機の就航で、貨物機のみに搭載可能な特殊貨物・大型貨物等の取り扱いも可能となる。九州マーケットのプレゼンス強化を図っていきたい」と話している。

一方、県と路線の誘致活動を行ってきた北九州市空港企画部の小石裕洋空港企画課長は「日本貨物空港の運休以来、1年ぶりの定期便の路線開設、ANAブランドの定期便が週5便で運航することは大きなインパクト」と強調した上で、「北部九州の工業製品、農林水産品は北九州からアジアに直接運べる定期貨物路線として、利用促進活動に全力で取り組んでいきたい」とさらなる機能強化策への意気込みを話した。北九州空港では昨年2月、週1便で運航していた日本貨物空港の定期便(成田—台北間の経由便)が運休以降、3月には貨物地区を再整備し、定期路線の誘致活動を行ってきた。

福岡—石垣線を通年運航、福岡—宮古間に直行便

また、旅客便では、沖縄県先島諸島への需要が好調なことから、福岡—石垣線を期間運航から通年運航に切り替えるほか、福岡空港と宮古島空港を結ぶ直行便も開設する。福岡—石垣線は3月25日から1日1往復、福岡—宮古線は6月1日から10月27日まで1日1往復でそれぞれ運航する。そのほか、㈱スターフライヤー(北九州市小倉南区、松石禎己社長)が夏季ダイヤで運航する北九州—那覇線(3月25日〜5月7日まで1日1往復、7月13日〜10月27日まで1日2往復)、アイベックスエアラインズ㈱(東京都江東区、浅井孝男社長)が3月25日から運航を始める福岡—新潟線(1日1往復)、同—仙台線(1日3往復から4往復に増便)では、コードシェア(共同運航)を実施する。

2018年1月30日発行