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自己資本比率20%、経常利益1100億円超目指す 九州電力


瓜生社長インタビュー抜粋

九州電力㈱(福岡市中央区渡辺通)の瓜生道明社長は、本誌9月号「地場主要企業トップインタビュー」に応え、新たに設定した財務目標や投資計画について語った。以下、インタビューを抜粋。

—2021年度までの財務目標を発表した。自己資本比率20%程度、経常利益は期中平均で1100億円以上を目指すそうだが、このタイミングで発表した狙いは。

 瓜生 原子力発電所の運転停止移行、当社は長く赤字決算が続いており、なかなか定量的な数値目標を示すことができなかった。最近では川内1、2号機が再稼働したほか、連結業績も黒字を出せるようになってきたので、ようやく具体的な数値目標を立てることができるようになった。

—自己資本比率は一時期に比べ著しく悪化した。

 瓜生 2010年度は25%程だったが、原子力発電の運転が停止している時期に燃料費の負担がかさみ、一時は9%程度まで財務状況が悪化した。現在は12%程度だが、エネルギー企業としてさまざまなリスクに対応するためには20%以上が必須と考えている。そのためには、やはり経常利益も1100億円以上の水準が求められる。

—5年間で4200億円規模の成長投資を行う計画も固めた。

 瓜生 当社グループが強みを持つ海外、域外、再エネ事業を中心に投資していく。早速、3月にはCBを発行して約1500円を調達し、松浦発電所2号機の建設費用や、世界最大級のインドネシアサルーラ地熱IPP(独立系発電)プロジェクトの費用に充てることにしている。そのほか、電力需要が伸びているアジアを中心にIPP事業やコンサルタントを手掛けていきたい。

—4月1日から参入したガス小売事業「きゅうでんガス」の契約状況は。

 瓜生 7月14日時点で約3万件と順調な滑り出しを切ることができた。地域に出向いての「顔の見える営業」が功を奏している。初年度目標の4万件を早期に達成できれば。

—玄海3、4号機の再稼働時期は。

 瓜生 審査は最終段階を迎えているが、まだ見通しが立っていない。再稼働後は月に約90億円分の燃料費削減が見込めるので、1日も早い再稼働を目指していきたい。

2017年8月29日発行