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第三者割当増資で7億3530万円調達  NSマテリアルズ    約20億円投じ工場2棟建設


 ナノテクノロジー(超微細技術)を使用した素材開発、製造を手掛けるNSマテリアルズ株式会社(筑紫野市立明寺、金海榮一社長)は4月26日、特殊ガラス製品やガラス製造機械類を製造、販売する日本電気硝子株式会社(滋賀県大津市、松本元春社長)を引受先とした第三者割当増資を実施し、7億3530万円を調達した。
 同社は液晶ディスプレーの消費電力を抑えて高画質化する溶液「ナノ蛍光体」を生産拡大する新工場を、八女郡広川町の「久留米・広川新産業団地」内に建設し、今年12月の操業を予定している。今回の資金調達は、新工場での量産体制拡充といった設備投資に充てていく。今回の出資を通して、同社が開発、製造を進めるナノ蛍光体と、日本電気硝子株式会社が製造する特殊ガラスの材料を組み合せ、バックライト製品などに使用される電子部品照明に応用した製品開発なども進めていくという。
 同社が量産するナノ蛍光体は、従来の蛍光灯では得ることが難しい鮮やかな赤色光と緑色光に波長変換することが特徴。LED用の新しい蛍光体で、今後はテレビやスマートフォン向けの需要拡大が見込まれている。この量産技術を持つ企業は、米国2社と国内では同社が唯一とされ、すでに、テレビメーカーなど約30社から引き合いがあるという。

 約30人の新規雇用を予定

 計画ではまず12月までに、新工場2棟のうち1棟を稼働し、月産20トンの量産体制を目指す。5年後の売上高は15年4月期の80倍にあたる約80億円を見込むほか、新工場の稼働にともない約20~30人の新規雇用を予定している。そのほか、3年後に福岡市への本社機能移転や、19年までに株式上場を視野に入れているという。同社では「今後、本格的に量産体制を進め、品質とコストの競争力を高めながら、市場開拓を進めていきたい」と話している。同社は06年5月設立。従業員数は約30人。