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観光、物流、企業進出などで開通効果 九州地方整備局と西日本高速道路


東九州道開業1年

九州地方整備局(小平田浩司局長)と西日本高速道路株式会社(石塚由成社長)は5月23日、昨年4月24日に北九州-宮崎間が直結した東九州自動車道の開業1年効果を発表、観光や物流、企業進出などで開通効果が生まれていることを明らかにした。

観光では北九州-中津間で約15分、中津-大分間で約5分の時間短縮効果によって沿線の観光名勝地の入込客数やインバウンドツアーの増加につながっていることを指摘。大分県中津市の耶馬渓「青の洞門」の入込客数は開通前の12年8月に比べ約1・6倍の16万8000人に増加したほか、東九州自動車道の活用したツアー数が13年度の83件に比べて15年度は約6倍の463件まで拡大している。また、昨年3月に豊前市の地元漁協・豊築漁協が昨年6月にオープンした飲食物販施設「うみてらす豊前」の入客数が10カ月で10万人を突破、年間目標6万人を5カ月で達成している。そのほか、熊本地震で落ち込んだ観光客数増加を目的に導入された九州観光周遊ドライブ数の最終申込件数は約23万件を突破、推計観光消費量は約166億円に達しているという。

物流では北九州-宮崎間の所要時間が約1時間短縮したことによって、同区間の大型車の輸送回数が約1・2倍に増加、大分県と宮崎県との陸上アクセスが向上したことで、東九州自動車道と新門司、大分、宮崎と関西方面を結ぶ海上郵送との組み合わせによる物流ルートが構築されたことで、カーフェリーの利用回数は約10%増と増加。また、トラックドライバーの拘束時間が年27万時間削減され、過労運転撲滅にも貢献しているという。

企業進出では、沿線自治体の企業進出件数が09年以降増加傾向にあり、7年間で約670件が進出、新規雇用者数は約1万2000人、新規投資額は約5100億円だった。

2017年6月6日発行