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「全ての自宅に看護の眼を—。」新生ワーコンが始動
IoT、AIを活用した高齢者のみまもり事業を展開する㈱ワーコン。現場経験豊富な看護師による独自のモニタリングシステムに加え、2018年10月には、㈱NTTドコモ九州支社など3社とともに在宅医療用対話ロボット「anco」を開発。4月からは、新たにサービス名「おるけん」を掲げ本格的に全国展開を進めていく。
ITを活用した、医療現場経験者によるみまもり事業
後期高齢者が5人に1人になる2025年。看取り先の確保や医師・看護師の不足、訪問看護師の限界など在宅医療業界は多くの問題を抱えている。青木社長は、長年にわたる看護師経験の中でこの問題に向き合い続け、2016年7月、医療機関や民間企業と連携した24時間のみまもり事業「ウォッチコンシェルジュ」サービスを立ち上げた。
同サービスでは、非接触センサーを対象者の住空間に設置し、医療経験豊富な「みまもり看護師」がコールセンター機能を備えた遠隔モニタリングでみまもる仕組みを構築。日中だけでなく夜間の異常も察知できることから、これまで過酷な労働環境に置かれていた訪問看護師を支える〝第2のナースステーション″として機能する。また、みまもり看護師には、時短勤務や在宅勤務などさまざまな勤務形態を設けることで、潜在看護師が再び働ける環境を提供。利用者や家族にとっても安心安全のサービスを提供できるだけでなく、在宅医療業界における人材不足解決の可能性を見出している。
また、18年10月には本社を福岡市博多区博多駅東1丁目に拡張移転した。モニタリングセンターを備えた開放感のあるオフィスで、フリーアドレスを取り入れたスタイリッシュな空間となっている。
在宅医療用対話ロボットを共同開発、
「おるけん」が本格スタート
18年10月には、㈱NTTドコモ九州支社(以下ドコモ)、㈱エヌ・ティ・ティ・データ九州、ロボット開発の㈱MJIとともに、革新的な在宅医療用対話ロボット「anco」を共同開発した。17年からみまもりサービスに取り入れていたMJIのAIロボット「タピア」をベースに、ドコモの「AIエージェント基盤 API」を採用。ワーコン独自の問診シナリオによる対話と、バイタル測定データが連動する対話ロボットとして注目を集めている。
「ITの最先端技術と現場経験が豊富な看護師の知識・ノウハウの融合が実現したことで、日本の在宅医療の未来が大きく変わる」と青木社長。4月からは、「みまもり看護師」による既存の遠隔サポートにancoを加えたサービス名「おるけん」を全国的に広めていく。
また、組織体制も強化。元グランドビジョン常務取締役の白坂大作氏がCMOに、㈱NTTデータでエンジニアの実績を持つ新徳雅隆氏がCTOに就任し、新役員体制で新たなスタートを切った。
「行政との取り組みも進めていく。スピード感をもって全国にサービスを広げていきたい」と意気込む。
在宅医療用対話ロボット「anco」 |
決して一人で逝かせない
同社では今後「おるけん」の医療サポートを中心に、タクシーや弁護士といった生活にまつわるサービスを展開する民間企業とも連携しながら、高齢者を取り巻く環境をトータルサービスで支える仕組みを構築していく考えだ。青木社長は、「思い描いてきた『ウォッチコンシェルジュ』の最終形が見えてきた。その人がその人らしく、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)を保ちながら生活してもらうためのサービスを提供していく」と決意を新たにする。
在宅医療業界に革新をもたらすであろう同社の挑戦は、今後も続いていく。
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(ふくおか経済EX2019年)