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学びまでの距離、0センチメートル。
「バーチャルキャンパス」

筒井俊英　社長
つつい・としひで／福岡市出身。1969年6月3日生まれの54歳。東京大学工学部を卒業後、英進館勤務を経て九州大学医学部に合格。首席で卒業後、九州大学医学部第一内科で内科医として勤務。2002年から再び英進館に復職、2004年に社長就任

福岡都市圏を中心に九州、広島で63教場を展開、九州トップクラスの合格実績を誇る。この春からはメタバース（仮想空間）を活用したオンライン授業「バーチャルキャンパス」も本格スタートした。不登校支援とともに自由度ある学習形式として今後の動きが注目される。

無理なく学習できる空間を提供するオンライン授業

学びまでの距離0センチメートル。君の部屋が塾になる！1979年の開校以来、生身の教師による対面授業にこだわり、熱血指導を続けてきた総合学習塾・英進館に今春、新たな1ページが加わった。より多くの子どもたちが、無理なく学習できる空間を提供するオンライン授業「英進館バーチャルキャンパス」が本格スタートした。これまでも「通いたいけど遠くて通えない」「離島に住んでいるけど英進館のカリキュラムを受講したい」などの声があった。さらに2020年のコロナ禍を機に、学校に通えない児童が急激に増え、子どもたちの学びが止まるケースも見うけられた。そこで、英進館では昨年からメタバース（インターネット上に構築される仮想空間）を活用した「バーチャルキャンパス」構想に着手し、今年1月からは中学1、2年生を対象にトライアル授業を実施。「塾への移動時間がなく、自分にあった勉強時間が作れる」「集中して勉強ができる」「同じ場所にいるような臨場感があり、勉強に適した環境」「遠くにいる人でも身近に感じられる」など子供たちだけでなく保護者からも好評だった。さらに実際にほとんどの生徒に成績アップの結果が出たことから、この4月からは小学4～6年生、中学1～3年生に対象を広げての本格開校となった。
指導にあたるのは、これまで各地の責任者を歴任してきた精鋭教師陣。仮想空間のキャンパス内では最大30人が教室で一斉にライブ授業を受けられる「集団・ライブ授業」と自分だけのカリキュラムで映像授業を進められる「個別・映像授業」があり、子どもたちは自分に合った学習形式を選択あるいは併用できる。また、バーチャルキャンパスに来れば、全国から集まる仲間達と親身になってくれる先生と一緒に頑張ることができる。構想から1年にも満たない中での本格事業化について筒井俊英社長は「現場のプロジェクトメンバーとそれぞれの部署を統括する本部が、一体感ととスピードを持って課題解決に取り組んだ結果。今後は3Dメタバース空間の充実により、不登校支援の面で行政との連携の可能性も考えられる」と抱負を語る。

修猷館、筑紫丘など合格実績で過去最高が続出!

もちろん強みである公私立難関校の合格実績も好調だ。全国最難関とされる灘中高には29人が合格。全国最難関女子高の慶應女子高には10人が合格した。九州最難関校の双璧であるラ・サール中高では284人、久留米附設中高にも207人が合格。さらに福岡県公立高校入試でも抜群の実績を上げた。さらに福岡市内トップ3校では修猷館が318人、筑紫丘が282人とともに過去最高を更新。福岡校も288人と過去2番目の数字となった。
このほか新たな動きとして、経営資源を活用したレンタルスペース事業も興味深い。学習塾という特性から、夏期・冬期休暇以外では午前中から昼間にかけて教室が空きスペースとなる。そこで、時間貸しで会議や商談、面接、セミナー開催などの利用を見込むものだ。実際、天神の一等地にある天神本館3号館では、教室や応接スペースの貸し出しを始めており、実績を上げている。さらに、新年度は大教室を半年間レンタルする大型長期契約も結んだという。同社では「主力の学習塾事業に加え、バーチャルキャンパスを新たなメニューに、そしてレンタルスペースも派生事業として形にしていきたい」としている。

（写真）天神本館3号館

[2024年合格実績（速報）]
灘中高29人　ラ・サール中高284人　久留米附設中高207人　修猷館高318人　福岡高288人　筑紫丘高282人　福教大附属中190人　西南学院中339人　福大大濠中311人　上智福岡中320人 早稲田佐賀中高841人　弘学館中高627人　青雲中高569人　ほか多数

※合格者数はすべて英進館正規受講者のみの
実績。テスト生等一切含まず。

（ふくおか経済EX2024年）