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持続可能な農業へ「有機農産物」普及拡大に尽力
(写真左上)有機農業を実現する水田除草機「ウィードマン」
(右上)「OREC green Lab福岡」(福岡市中央区赤坂)
(左下)現場体感を製品開発に反映
(右下)ラジコン草刈機「スパイダーモアー」
「草と共に生きる」を理念に小型農業機械の開発、製造販売を中核事業とするオーレック。農に携わる企業の責任として環境に配慮した安全性の高い有機農業の普及拡大目指し23年1月持ち株会社制に移行した。グループ連携によりその研究を進め、相乗効果を生みながら持続可能な農業の実現に向けて前進する。
有機農産物の普及加速
国内の農業従事者の約7割が65歳以上。それに伴う人手不足に加え、大規模災害や地球温暖化の影響も年々深刻で、農水省は生産力強化や持続可能性を目指し2021年に「みどりの食料システム戦略」を打ち出し対策を講じている。
こういった世の中の動きにいち早く対応するため草刈機の分野で業界初製品を世に送り込んできたオーレックは、23年1月にホールディングス体制に移行した。製造事業と先端技術を軸にした研究開発事業を分社化することで役割を明確化。専門特化しながら化学肥料や農薬を用いない「有機農業」の普及を軸に事業領域を拡大する。今村社長は「草刈機は有機農法の一つである草生栽培になくてはならないもの。だが、草刈機分野だけでは不十分」とし、農業に軸足を置いた食、環境、健康の3分野で新規事業を創出する。
これまでに脱炭素化に向けたラジコン草刈機の開発や畜舎内の環境改善に取り組む畜産消臭事業、そして家庭菜園に関する情報交流を目的にした「菜園ナビ」や生産者と消費者をつなぐECサイト「コダワリノワ。」の運営など3分野で新たな取り組みを続けてきたが、「HD体制により活動しやすくなった」とその意義を唱える。昨年は岩手県紫波町や新潟県弥彦村との連携協定を締結するなど自治体連携も強めており、今後は目的を同じにする企業とのM&Aや産学官連携、新事業の分社化などグループの相乗効果を生みながら有機農産の推進速度を加速させていく。
2年かけて東北、関西に新拠点
農業現場だけでなく消費者との接点も重視する同社。19年に福岡市中央区赤坂に開設したカフェ併設の交流拠点「OREC green lab福岡」は、地元農産物を集めたマルシェやワークショップの定期開催で、シンボル的存在として認知度を上げつつある。
生産者と消費者をつなぐ同様のグリーンラボは、全国9カ所ある営業所のうち弘前(青森県)と長野にあるが、25年春をめどに宮城県仙台市に、26年に滋賀県彦根市に新設する計画。さらに、同所に物流センターを建設し、既存の関東に加えて東北、関西と全国を網羅する盤石な物流網とシンボリックな拠点を形成する。
社員が成長する組織づくりへ
18年からDXを会社方針に掲げ、管理部門ではERP(基幹システム)の導入以降、20以上のシステムを新規導入し、一人あたりの生産性を向上させている。また昨年から現場におけるIoT・ICTやロボット導入による省力化など各部門のDX化として共通基盤を整え、社会課題解決に向けた取組みを強化している。「とはいえ、現場で質の高いものづくりを手掛けてきた歴史があり、人間でしかできない部分は残していく」と継続的な採用を推し進め、ここ5年で社員数は100人以上増加している。昨年から新たな人事評価制度の運用を開始し、評価の見える化により早期活躍ができる環境も整備、的確な実装に向けて教育にも力を注ぐ。
今春、グリーンラボ福岡の向かいの新築ビル内にオフィスを開設、基幹業務の一部を移管し、福岡市中心部での新たな働き方も進めている。
また、昨年5月にカナダに現地法人を設立しており、海外への販路も着実に築いている。
今年75周年。「企業としては節目になるが、当面は有機農業の普及に経営資源を投入していきたい」と持続可能な農業実現へ使命感に燃える。
今村健二 社長 いまむら・たけじ/久留米市出身。1952年7月5日生まれの71歳。明治大学工学部卒。父が創業した大橋農機㈱(現オーレック)に76年入社。営業部に配属され関東から東北エリアを開拓。現場の声を反映した製品が大ヒット商品に。88年社長就任と同時に現社名に変更した。趣味は自然散策。座右の銘は「百閒は一感に如かず」 |
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