Eコマースで世界へ 越境ECが未来への布石に

家具インテリア通販、越境市場をターゲットにEコマース事業を展開する㈱ベガコーポレーション。創業以来右肩上がりの成長を堅持し、2016年6月東証マザーズ市場へ上場を果たし、売上高100億円突破へ。若い人材を積極的に登用し次なるステージに向け成長戦略を描く。

日本発、世界を視野に展開  6畳一間が原点

2004年、資本金300万円、6畳一間にパソコン2台、わずか2人からスタートし、100億円企業へと駆け上がる㈱ベガコーポレーション。家具通販の「ロウヤ」を主軸に、女性やファミリー層をターゲットにした「sumicia（スミシア）」、ランドセルや子ども机をメーンにする「LaLaStyle（ララスタイル）」、高級感のある家具を提供する「BAROCCA（バロッカ）」、北欧スタイル「NoRZY（ノージー）」、“塩系”を打ち出したインテリア家具の「LESMORE（レスモア）」など、属性や嗜好に合わせた6つのEC店舗を展開し、家具だけでなく生活雑貨に至るまで、数々のヒット商品を生み出している。

販売する商品の9割は自社で企画開発し、提携先である海外の工場でPB商品を生産しているため、原価率を抑えながら適正価格を維持しているのが成長加速を支える要因の一つともいえる。「EC市場は発展途上で市場規模も年々拡大している。ただ、国内と海外の市場規模や将来性を比較すると、今後は海外市場が中心になることは明らか」と世界展開を視野に入れる浮城智和社長。ECにおける研究開発やシステム構築など積極的な投資を図りながらも、世界80カ国以上の国と地域に対応した越境ECプラットフォーム「DOKODEMO」を立ち上げ、現地にいながらネットを通じて日本の商品を購入できる仕組みを実現させた。扱う商材は化粧品や健康食品、生活用品などさまざま。決済、物流、CSなど越境ECに必要とされる技能を既存事業と同様、自前で兼ね備え、日本製品の人気が根強いアジア圏を中心に世界へ発信している。

浮城 智和 社長（右）
うきしろ・ともかず／北九州市出身、1976年11月25日生まれの40歳。九州国際大学経済学部卒、家具輸入商社で営業経験を積み27歳で独立、ベガコーポレーション設立
左は店舗運営部に所属し商品企画を担当する2016年新卒者

新卒採用積極化 18年度30人増員へ

「家具インテリア業界のさらなるシェア獲得と家具のプラットフォームを確立させる」（浮城社長）と、国内市場においても飛躍に結びつく投資は惜しまない。これだけ成長著しく、グローバルで戦うには、会社全体が新たなものを生み出すクリエイター・エンジニア集団であること

成長に応じた組織づくりを定性目標に掲げ、15年度から新卒採用を開始し3期目。18年春には新卒者30人増員を計画し、優秀な人材獲得に向けて積極的に動いている。

求められるものは、常に先を見据えて目標に対して自身に投資できる向上心があること。「当社が、いずれ独立や海外進出の踏み台になっても構わない」と浮城社長。それだけチャレンジ精神旺盛な人材獲得への姿勢は前向きだ。

組織は、店舗運営部、商品開発部、デザイン部、受注・カスタマー部、物流部、情報システム部、ドコデモ事業部などに細分化。専門性に富んだプロ集団を育成し、常にチャンスを創り出すことができる成長企業で働くメリットは大きい。

さらに、20年のプログラミング必修化に向けて子どもたちへの支援など社会貢献にも注力する同社。ビジョンは「満足と感動を叶える唯一のEコマース企業」であること。世界に通用するグローバル人材を育て、世界企業へと発展する。

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（ふくおか経済EX 2017より）