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未来を見据え6つの事業の深化と新規事業創出に挑む

2026年3月に創業100周年を迎える㈱新出光。08年に始動した100周年に向けたプロジェクトで非石油事業を拡大し、現在では4分野6事業の成長を推進している。22～24年度の中期経営計画では6事業の深化とモビリティ分野の新規事業創出を推進し、さらに2040年を見据えた未来戦略プロジェクトを始動した。

石油、自動車、電力、オフィス、食と暮らし、
不動産の6事業を拡大

1926（大正15）年3月に創業した㈱新出光は時代に先駆け石油販売を始め、「石油」という優秀な商材を強みに地域に密着したSS（給油所）の展開をはじめ、産業用大口需要家向けの燃料直売など九州の石油販売業で売上高トップ、全国でも有数のエネルギー商社として成長してきた。
2008年には将来的な石油需要の減少をにらみ、26年の創業100周年に向けて事業構造変革プロジェクト「Target100」を始動。イデックスグループを挙げて非石油事業を拡大し、その目標を達成すると、19～21年度の中計では、従来の石油と非石油という捉え方から脱し、成長分野をドライブ（現モビリティ）、エネルギー、オフィス、ライフの4分野に照準を定め、石油、自動車、電力、オフィス、食と暮らし、不動産の6つの事業の成長を図ってきた。

モビリティ分野の新規事業創出推進

22〜24年度の中計「Innovation99」で6事業の深化を図る中、特に成長の中軸に据えるのがモビリティ分野の自動車事業だ。これまでも顧客のカーライフを支えるべく世界三大レンタカーの1つ、バジェット・レンタカー事業の全国展開をはじめ、オートリースや輸入車販売、新車・中古車の販売・買取り事業などを展開してきたが、将来的に動力源が燃料から電気に代わろうとも〝車〟自体は残るという観点から一層の事業強化や新規事業の創出を図っている。
『車のことなら何でもイデックス』を標榜し、車関連のコンセプト店を展開するほか、昨年10月から九州・山口100カ所以上のSSで新たなブランド「イデックスCars」を掲げ、車販や車検などトータルカーサポートを打ち出した展開を強化。新規事業では、福岡市内でのEVスクーターのシェアサービス事業 「ラクすく」の会員が昨年12月に1万人を突破し、今年3月には専用ポートも100カ所を超えた。法人・自治体向けのEVカーシェア事業「idEV（イデブイ）」でも今年3月福岡市中央区今川にステーションを設置し、一般向けを含めたサービス提供を開始した。

（写真）2022年11月にスタートした、 EVスクーターシェアリングサービス事業『ラクすく』

太陽光PPAモデル「0plan」の実績着々

第3の柱と位置付ける電力事業では、初期費用をかけずに太陽光発電システムを導入する0plan（ゼロプラン）サービス（通称PPAモデル）に積極投資。工場や商業施設、ビル屋上など大型案件への実績も着々と増しており、リース会社と組んだ新たなスキームを活用した提案も進めていく方針だ。
オフィス事業では、中小企業の「働き方を進化させる次世代のワークスタイルソリューション」の提供に注力し、オフィスリノベーションやITソリューションの提供で実績を積む。コメダ珈琲店やローソンを展開する食と暮らし事業では、宅配「ピザポケット」を展開するポケットフーズ㈱を21年12月に子会社化し、中食市場やデリバリー業界に進出。保有不動産の有効活用を図りハイクオリティな賃貸マンションを開発する不動産事業では、昨年3月福岡市・箱崎に6棟目が完成し、さらに同市内で7棟目を計画。既存賃貸マンション2棟も購入し、収益増を図る。
創業100周年まであと2年を切った同社だが、昨年4月には100周年を越えて2040年までの大きなビジョンを描く未来戦略プロジェクト「Target2.0」を始動。石油需要の減退が予想以上に加速する中、各事業のもう一段のステージアップや新たな事業の創出で、地域や社会へのさらなる貢献を目指している。

出光泰典 社長兼グループCEO いでみつ・やすのり／福岡市出身。1962年10月14日生まれの61歳。県立修猷館高校―九州大学経済学部卒。㈱埼玉銀行（現㈱りそな銀行）を経て、92年㈱新出光入社。取締役、常務などを経て2011年6月5代目社長に就任。18年4月グループＣＥＯ兼務

採用情報
募集職種／総合職
応募資格／全学部全学科
採用実績／2024年度10人(大卒10人）（※イデックスグル―プ全体では、24年度38人）
インターンシップ／(夏・冬開催予定）
年間休日／122日(24年度）
問合せ先／TEL.092-291-6182
担当／人事部 人事課

（ふくおか経済EX2024年）